2007年09月28日

DREAM THEATER [Systematic Chaos]

B000PFUAO6Systematic Chaos
Dream Theater
Roadrunner Records 2007-06-05

by G-Tools


DREAM THEATERはこれまで彼らがやってきた音楽、すなわちプログレッシヴ・ロックへのあこがれを自らが直接受けたヘヴィーメタルの影響を他人に真似できないレベルで融合させることによって生まれる、唯一無二のプログレッシヴ・メタルを生み出し、もはやベテランとしてシーンに確固たる地位を確立し未だに大きくなり続け、メンバーチェンジやメンバー個人のミュージシャンとしての飛躍、私生活の変化などを糧としながら多くの名作を生んできました。
長年在籍したメジャーレーベルからインディーでメタル系に強くメジャー級の配給力を持つRoadrunner Recordsへと移籍し新しい章の始まりと位置づけた彼らにとっての9作目が発売になりました。大作傾向、コンセプチュアルな前作と比べると1曲1曲が独立した比較的シンプルにまとまった本作ですが、これまでの彼らを応援してきたファンへの気持ちと新しい出発に際し貪欲に自らをアピールする2面が交差する充実の内容となっています。
前作はそこかしこに隠されたグランド・コンセプトと多様でメロディーに長けた楽曲、それを表現者としてまた一歩前進したジェイムズ・ラブリエのヴォーカルの素晴らしさによって元々高水準のアルバムばかりの彼らの作品の中でも特別な1枚となった作品でした。とりわけアルバム・タイトルトラックの「Octavarium」は今まで全ての時代のDREAM THEATERに通ずるドアのような、それでいて今後の彼らの曲作りの指針となるべき曲で、今も聴くたびに新たな発見があり、曲が成長し続けているような感覚に捕らわれる奥深い1曲としてDREAM THEATERの歴史に加わった名曲でした。
本作はコンセプトアルバムではなく1曲が独立した世界を持つ楽曲が並んでいます。(1)In The Presence Of Enemies Pt.1(8)In The Presence Of Enemies Pt.2だけがタイトルからもわかる通り元々25分あった大作を二つに分けオープニングとエンディングに配置することでアルバム全体のイメージすら決定づける役割を持つ重要な曲となっており、前作の「Octavarium」の壮大さとはひと味違ったメタリックでダークな世界観を提示しています。ラブリエのヴォーカルは計算され尽くした歌メロの中で繊細さと邪悪でダーティーな声音を上手く使い分けていて、アルバム[Awake]時に試みて上手くいっていなかった声質のポップさを補完する威厳を手に入れたようです。ダークな雰囲気(アルバム全編そうだが)ながら本作の中で一番ポップな曲とも言える(2)Forsaken、アルバム[Train of Thought]に入っていてもおかしくない攻撃的なリフで押しまくるMETALLICAソング(3)Constant Motions、本作でのジョン・ペトルーシ(g)の一番のギターソロが聴ける(5)Repentance、痛烈なメッセージを含む歌詞とQUEENのようなアイデアを活かしたライブ映えしそうな(6)Prophets Of War、(1)(8)に負けず劣らずエピックでメロディアスな(7)The Ministry Of Lost Souls等どれも強力なインストゥルメンタルとラブリエの本領が発揮された楽曲です。
メロウな曲はあっても暖かみや優しさ、希望、明るさといった暖色系のメロディーは殆ど皆無でどんな場面でも光を遮るダークなメロディーが支配しているのが本作の特徴でしょうか。それでも灰色に沈んだ暗いイメージに陥らないのはジェイムズ・ラブリエの色彩豊かなヴォーカルラインとジョン・ペトルーシ(g)、ジョーダン・ルーデス(key)等によるメロディーの洪水のごとき演奏によるところが大きいでしょう。アルバムを何度も何度も聴き込む事によって、楽曲の中で何が行われているか発見していく楽しみは本作でも尽きることはありません。

ファンの方はもうご存じとは思いますが、本作[Systematic Chaos]に伴うジャパン・ツアーは現在のところ武道館1回限り(しかも平日!)と発表されました。このクラスのバンドが武道館とはいえ1回公演など言語道断。必ず近いうちに戻ってきてもらいましょう。

試聴する(本作からは特にヘヴィーな2曲(3)Constant Motion(4)The Dark Eternal Nightの試聴が可能です。)
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2006年09月28日

DREAM THEATER [Score]

B000GRTSFAスコア~フル・オーケストラ・ライヴ 2006
ドリーム・シアター
ワーナーミュージック・ジャパン 2006-09-06

by G-Tools

バンド結成20周年を記念して行われたツアーのファイナル、地元NYのラジオ・シティー・ミュージック・ホールでのオーケストラとの共演を収めたライヴDVDが発売されました。
他のどんなバンドも太刀打ち出来ないほどの圧倒的なライブでの演奏力、構成力、そして曲の良さを誇るDREAM THEATERなのでこの20周年を迎えるまでに数多くのライブ盤が存在しますが、この[Score]はただのライブの記録以上の意義がしっかり詰め込まれた内容になっています。
バンドが各時代に残した曲を次々にアルバムよりも素晴らしいバージョンで披露する前半は幻の曲[Raise The Knife](アルバム[Falling Into Infinity]から外された曲で当時のバンドの危機的状況をDisc 2でマイク・ポートノイが語っているのが興味深い)のサプライズまで飛び出し[The Spirit Carries on]でクライマックスを迎えます。この曲での会場の一体感と素晴らしいメロディーに思わず涙が出そうになります。この日の5人の演奏はとても素晴らしく、サウンドももしかしたらレコードより良いのではないかと思う程で、とくにジェイムス・ラブリエのパフォーマンスは技術的に高い歌唱力を要求される曲を楽々と歌いこなすのは当然といった感じで、各曲への感情移入度も大幅に増しており現在の彼の状態が最高を維持しているのが判ります。一糸(指?)乱れぬ演奏技術と歌唱力にこれまでなかった高い表現力を加えたDREAM THEATERのライブは以前の彼等すら霞んで見えてしまうほどの存在感を放つまでに変貌していました。
そしていよいよ第2部です。[Six Degrees Of Inner Turbulence]がオクタヴァリウム・オーケストラとともに演奏されます。アルバムではキーボードでオーケストラ風にアレンジされていたOvertureはやはりアルバムより格段によいバージョンに聴こえます。オケの編成や音のバランスは若干甘いですが、この40分を超える大作がオーケストラとともに淀みなく演奏されるのは本当に圧巻です。歌詞に出てくるキャラクターを演じるように歌うラブリエも活き活きとしていて、オーケストラとともにこの曲を新たな次元に運んだのは間違いなく彼の素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスだと言えます。
他に選ばれた曲もオーケストラと共演するに相応しいエピックな曲ばかり。とりわけアルバム[Octavarium]の名曲Octavariumはオーケストラ効果もあって、よりオーガニックな魅力に溢れ、曲の持つ隠れた(本来の)姿を見せつけくれる名演です。最後に相応しい、普段より煌びやかに演奏されたMetropolisが終わった時、その場にいたわけではないのに良い音楽に心が満たされてとても幸せな気分になれました。
DREAM THEATERは長いキャリアの中でもおそらく今がトップコンディションなんだろうと思います。20年間進化し続けたバンドだからこそ常に“いま”が最高のバンドなんて他に見当たりません。そんな彼らをこれからもずっと追い続けて行きたい、そう思わせるライブでした。このライブ最後のジェイムス・ラブリエの言葉を信じて。“これからも夢を持ち続けよう”

VIDEO TEASER
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2006年01月30日

DREAM THEATER [Images and Words]

B000007U19イメージズ・アンド・ワーズ
ドリーム・シアター
イーストウエスト・ジャパン 1997-12-15

by G-Tools

自分がこれまで聴いてきた全てのアルバムの中には“奇跡の名盤”と呼べるいつ聴いても色褪せることのない傑作がたくさん存在します。一大センセーションと言えるような大ヒットを記録する名盤、世間に認められることなく一部の人達にのみ語り継がれる名盤など様々ですが、ジャンルが細分化してきている今だからこそ、自分が体験してきた名盤を一人でも多くの人の耳に触れる機会を増やしたいと思い、あくまでも自分がリアルタイムに体験したものに絞り紹介したいと思います。

BlogタイトルのIMAGESandWORDSは、アメリカのプログレッシブ・メタルバンドDREAM THEATERの2ndアルバム[IMAGES AND WORDS]から採っています。
1stアルバムである[WHEN DREAM AND DAY UNITE]は話題になったものの、まだ自分が洋楽を聴き始めて間もなかった事もあり、RUSH meets METALLICAと言われたサウンドにもなかなかピンと来るものがなく、ヴォーカリストのチャーリー・ドミニシの脱退で活動を制限されていった
DREAM THEATERの名前はその後聞くことなく時が過ぎました。それから約3年後、今もBay FMで放送を続けるPower Rock Todayで確か何の前触れもなく突然この[IMAGES AND WORDS]からの1曲目Pull Me Underが流れました。その約3年の間に色んなRockを吸収していた自分にはヘヴィーで複雑でそれでいて美しいサウンドとはじめて聴く桁外れの音域を披露するヴォーカルに聴きながら圧倒されました。当時は今と違って発売前の音源管理がそれほど厳しくなかったのか、ラジオで毎週のように次々と曲がかかりその圧倒的なクオリティーに発売前からかなり話題になっていました。
発売後家でじっくり聴いたアルバムは今まで聴いてきたものとは別次元に存在し、聴けば聴くほどアリ地獄のようにその音世界にハマって抜け出せなくなっていました。
聞く者に挑んでくるようなPull Me Under、Under a Glass Moon、ダイナミックな構築美にただただ圧倒されるTake The Time、Metropolis Part1、ロックファンでなくともその美しさに心惹きつけられるAnother Day、Surrounded、そしてラストのWait For Sleep〜Learning To Liveはいまだに聴くたびに新しい発見がある奥深さと共に素晴らしい歌詞でアルバムを締めくくります。FIREHOUSEのプロデュースで有名なデイビッド・プレイターの音作りも今のDREAM THEATERとは違うきめ細かい艶っぽい音で今聴いても全く遜色ありません。
このアルバムに出会った時、それは今まで音楽に楽しさや衝動性、怒りや悲しみ等を見出していた自分に新たにその曲の中に“知性を感じ取る”という要素が確実に加わった瞬間でした。
当時BON JOVI,DEF LEPPARD,EUROPEなどから洋楽ロックを聴くようになった世代の方にとってこの[IMAGES AND WORDS]によってプログレッシブ・ロックへの興味の扉が開いた人は自分も含め沢山いたんじゃないでしょうか?それほどこのアルバムにはポップセンスも溢れていたということなのでしょう。
このアルバムは商業的にも成功を収め、以後世界中から数え切れないDREAM THEATERフォロワーが誕生しました。
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2006年01月17日

DREAM THEATER 「Octavarium」

オクタヴァリウムオクタヴァリウム
ドリーム・シアター


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by G-Tools

DREAM THEATERの通算8作目にあたる「Octavarium」です。今もプログレッシブ・ロックという言葉が現代に通じるイディオムとして成り立っているのは彼らの活躍によるところが少なからずあるとても影響力のあるバンドです。
前作「Train of Thought」のライブ感ある作りから一転、とても美しいメロディに溢れたアルバムに仕上がりました。ハイライトはなんと言ってもアルバムラストを飾る20分超えの大作「Octavarium」ですが、それをアルバムの中の1曲に感じさせてしまう他の曲も申し分ない出来で、トータル1時間を超える作品ですが最後まであっという間に聴けてしまう快心作だと思います。
特に際立っているのがジェイムズ・ラブリエのヴォーカルとジョーダン・ルーデスのキーボード、ピアノです。これほど感情表現豊かに様々な声音を使い分けているのは初めてだろうし、前作でややおとなしい印象を与えたキーボードは水を得た魚のごとく曲の中で飛躍しています。
彼らが2ndアルバム「Images and Words」を出した時は正直、このアルバムを超えるのは難しいだろうなぁと思ったものですが、またこうして素晴らしいアルバムを作ってくれたDREAM THEATERには感謝しなければなりません。

 自分はこのBlogタイトルをIMAGESandWORDSにした位だからもちろんDREAM THEATERが一番思い入れのあるバンドなのでこれからポツポツとDREAM THEATERの全アルバムの紹介はしていきたいと思います。


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