2006年05月18日

LINKIN PARK [Hybrid Theory]

B00005MG2Yハイブリッド・セオリー(通常)
リンキン・パーク
ワーナーミュージック・ジャパン 2001-02-07

by G-Tools

SUMMER SONIC 06でヘッドライナーを務めるLINKIN PARKが出て来た1999〜2000年頃はヘヴィロックがトレンドだった時代でありそのど真ん中に大きな前評判と共に登場したLINKIN PARKはこのアルバム1枚でKORNやLIMP BIZKITを軽く追い越しシーンのトップバンドに踊り出ました。
RAGE AGAINST THE MACHINEやLIMP BIZKITの大成功でラップを取り入れたバンドが激増しますがLINKIN PARKの場合フロントに立つ二人、チェスター・ベニントンとマイク・シノダの能力がずば抜けており、スクリームする声質のまま幅広い音域で歌うことが出来るチェスターとスキルフルなラップとこのバンドのクリエイティビティの中心であるマイクの存在はこのバンドに欠かす事が出来ません。アルバムは通して聴いてみると、およそ新人バンドのデビューアルバムとは思えないただならぬ質の高さを感じます。
それまでヒップホップに拒否反応を示していたロックファンに考えを変えさせるだけでなく、ヒップホップのファンをも取り込み、まさにクロスオーバーな魅力で多くのファンを獲得しました。
このアルバムのサウンドはヘヴィな音圧ながら一般音楽リスナーの耳をも引き付ける強力なメロディが印象的で、そうした音作りはプロデューサーのドン・ギルモアの上手さもあるのでしょうが、叙情味あるマイナー・キー中心の歌メロは間違いなくこのアルバムの核となる重要な要素であり当時の他のバンド達との決定的な違いを生み出す個性となっていました。このヒット以降出てきた主にスクリーモ勢がこうした泣きメロを多用するようになったのはこのLINKIN PARKやDEFTONESからの影響が少なからずあるのだと思います。
シングルカットされた曲がヒットするたびに売り上げが跳ね上がる様はまるで80年代のBON JOVIやDEF LEPPARDのモンスターヒットを彷彿とさせますが、それだけ曲のクオリティーが一般の音楽チャートに入っても光るだけの競争力を持っていたという事でしょう。その中の1曲(8)In the endは美しく力強いメロディーと静と動のダイナミクスを上手く組み合わせたアルバム中最もキャッチーな曲でシングルとしても大成功を収めました。その他もアルバム全曲捨て曲なしと断言できる素晴らしい完成度を誇っています。
ロックファンの中には、彼らの“演奏の記録”としてのアルバムではなく、Pro-toolsによって切り貼りされた過度な“プログラミング”的な質感が好きじゃない方もいるでしょうが、それを補って余りある“良い曲”を作っていることに変わりはありません。
SUMMER SONIC 06での久々の来日も楽しみですが、現在あのリック・ルービン(SYSTEM OF A DOWN、SLIPKNOT等)と製作しているというニューアルバムも本当に楽しみです。
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2006年02月26日

LILLIAN AXE [Poetic Justice]

B0000071LNPoetic Justice
Lillian Axe
Mfn 1992-07

by G-Tools

LILLIAN AXEは1stも2ndもいいのですがやはり最高傑作はこの[Poetic Justice]でしょう。RATTのロビン・クロスビーのプロデュースによるデビューアルバムで十分な注目を浴び、続く[Love and War]はGhost of Winterという名曲を生み出しますが、NIRVANAの登場で時代は完全にグランジ・オルタナティブ。LILLIAN AXEもレコード契約を失ってしまいました。解散の道をたどると思っていましたがインディーズから復活、この[Poetic Justice]を発表しました。オリジナルメンバーのベース、ドラムのリズム隊が脱退し新メンバーが加わっており、特にドラマーのパワフルなプレイが光っています。
雰囲気を煽るイントロからの(2)Innocenceでは1、2作目では無かったようなヘヴィなギターリフでブリティッシュ・ロック的な威風堂々とした貫禄を見せつけ、(3)True Believerでは当時のアメリカン・ハードロックのポップな魅力を最大限に表現し(5)See You SomedayはLILLIAN AXEの18番である名曲Ghost of Winterのような叙情的なメロディーが壮大に展開する新たな名曲であり、ヘヴィーなギターリフとロン・テイラーのエモーショナルなヴォーカルに乗るポップなメロディーが素晴らしい(6)Living In The Grey、70年代ポップスのようなやさしいメロディーが心地よい(7)Dyin' To Live、当時の状況(80年代的な煌びやかなアリーナ・ロックは排除され、ストリート感覚に根ざした新たなオルタナティブ・ロックがメインストリームとなった時代)を考えると、とてもアメリカのバンドの曲とは思えない(9)Mercy、そしてこのアルバム中、いやLILLIAN AXE史上最も美しい名曲(10)The Promised LandはこのアルバムをいまだにCDプレイヤーに乗せたくなる不変の魅力を放っています。
このバンドのリーダーのスティービー・ブレイズ(g)は過去にクラシックを学んだ事があるらしく、その辺りがこのバンドのアメリカのバンドらしからぬアコースティック・ギターやキーボードを上手く使った美しい楽曲を生み出す要因になっているのだと思います。
このアルバムは現在非常に入手困難のようですが、中古盤など根気よく探せば手に入るようです。HOOBASTANKなどを聴く方には強くオススメできる名作です。
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2006年02月17日

WHITESNAKE [サーペンス・アルバス ~白蛇の紋章~]

B00005GB3Wサーペンス・アルバス ~白蛇の紋章~
ホワイトスネイク
ソニーミュージックエンタテインメント 1988-09-30

by G-Tools

1987.88.89年頃と言えば空前のハードロックブームに沸き、多くのバンドがミリオンヒットを記録した華々しい時代でした。ピーク時には全米ビルボードチャートTOP20のうち半分以上がロック系のアルバムで占められるなど今では考えられないような“現象”の真っ只中でした。
この時代に多くの影響を受けたミュージシャンが多いことはグランジやヘヴィロック時代を越えて80'sリバイバルの波が来たことからも明らかです。
WHITESNAKEは元DEEP PURPLEのデイビッド・カヴァデールが結成したイギリスのバンドで日本やイギリス本国ではそれ以前から人気がありましたが、アメリカを含めた世界的な成功はこのアルバムによってもたらされました。
個人的にはこのアルバムでWHITESNAKEを知ったので大変な衝撃を受けました。(3)Still of the nightを聴いたときはジョン・サイクスの暴れまくるギターに血が騒ぎ、 デイビッド・カヴァデールの力強く、伸びやかで、セクシーなヴォーカルに完全にノックアウトされました。曲のクオリティそのものもアルバム全体を通して異常に高く、サウンド面も含めて“全てが完璧”と思えるものでした。過去のWHITESNAKEとは完全に一線を画しており、ブルーズを基本にしたブリティッシュ・ロックの気高い雰囲気と当時のアメリカのバンド達が放つゴージャス感が混ざり合った凄まじいエネルギーを放つ大きなアリーナでのライブが似合うモンスターバンドへの転身ともとれます。過去のアルバムとは比較にならないくらいパワーが増したデイヴィッドのこのアルバムでのヴォーカルパフォーマンスは個人的には長年色んなロックを聴いてきた中でもいまだにベストパフォーマンスだと思います。
(3)Still of The Night(この曲のおかげでLED ZEPPELINを聴くようになりました)、(4)Here I Go Again(ポップにリメイクされたWHITESNAKEの過去の名曲。最近某ビールのCMで使われていましたね。歌っているのはあのリッチー・コッツェンだとか?)(5)Give Me All Your Love(6)Is This Love(今聴いてもうっとりするほど美しい名曲)などシングルが成功した事もあり全米で700万枚以上(累計では1000万枚以上?)のセールスを記録したはずです。
最近のロック界にはデイヴィッド・カヴァデールのような実力と個性とカリスマ性を兼ね備えた人材は全く見当たりません。それだけ彼の存在は飛びぬけていたとも言えますが、デイヴィッドのように声を聴いただけで胸が熱くなるような存在がまた何処からか現れるのを願ってやみません。
posted by replicant at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 奇跡の名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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