2007年03月08日

36 CRAZYFISTS [Rest Inside The Flames]

36crazyfists-restinsidethef.jpgREST INSIDE THE FLAMES
36クレイジーフィスツ
ロードランナー・ジャパン 2006-11-15

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前作[A Snow Capped Romance]で一気にその名を広めたアラスカ出身の36CRAZYFISTSの3rdアルバム。ハードコア、ヘヴィロック、メタル、スクリーモなどが思い浮かぶアタック感の強いサウンドと彼ら特有の愁いを帯びた歌メロが絶妙なマッチングを見せていた前作は、ここ日本では全く話題にならないのが不思議で仕方ありませんでしたが、アルバム通して楽曲の完成度が高いとてもいいアルバムで個人的にも長い間楽しめたアルバムでした。
本作も基本的に前作と同様の流れにあり、アラスカの厳しい寒さをしのぎながら短い春をじっと待つ、そんな感情風景が表れたかのようなギターのクリアトーンとディストーションの絡み、一層自信を付けたブロック・リンドウ(Vo)の切れ味鋭いスクリームと伸びやかでいて突き刺さるようなメロディーヴォーカルは今回も素晴らしいアンサンブルを聴かせ、前作より若干メタル寄りのギターリフが増えたせいか、テンションの高いスクリームの割合が増えた印象です。
(1)I’ll Go Until My Heart Stopsは今までの彼らにはなかった明るい印象を与える曲ですが、前作の1曲目At The End Of August同様つかみはOKといった曲で、明るいヴァースからいつもの陰りのあるコーラスへの変化が面白い曲。メタルっぽい(4)Elysium(6)Midnight Swimは一緒にツアーしてきたバンドたちの影響でしょうか。(4)にはKILLSWITCH ENGAGEのハワード・ジョーンズも参加。どっちがどっちなんだか判らないが(笑)それだけリンドウのヴォーカルにも迫力が出てきたということなのだと思います。
ヘヴィ系ならどんなバンドともツアー出来る間口の広さもあるので、同じレコード会社だしKILLSWITCH ENGAGE辺りと来日を切に願います。

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2007年02月16日

Hinder [Extreme Behavior]

B000B7QOR0Extreme Behavior
Hinder
Universal 2005-09-27

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新人ながら既にシングル曲(8)Lips Of An Angelが大ヒットし、アルバムも200万枚に到達するHINDERのデビューアルバムです。アメリカでは既に発売から1年以上経っていますが、このシングルヒットによりロングセールスを続け、国内盤発売に漕ぎつけました。
仮に80年代にデビューしていればおそらく産業ロックと揶揄されるようなサウンドですが、90年代のグランジ・オルタナティブという時代のフィルターを通過したことによって、アメリカの広大な大地を想起させるアメリカン・ハードロックは過度な装飾を取り払った良質なメロディーをダイレクトに伝えるアレンジで貫かれた楽曲群で、この分野ではNICKELBACK以来久々に登場した才能といえるのではないでしょうか。ヴォーカルの埃っぽく、いがらっぽい声質で好き嫌いが分かれそうですが、とりわけ郷愁を誘うメロディーの前にそんな事はどうでもよくなってしまうでしょう。地味な音色の中にメロディーの心地よさを見つけながら聴いて行くことを強いられるので、第一印象は目立ちませんが何回も聴いているとどの曲も耳に馴染んでくるといった印象です。
そしてまだ(6)Better Than Meというキラーチューンがこれからシングルカットされることを考えるとまだしばらくはチャートを賑わすアルバムとなりそうです。
最近には珍しくルックスも気を使っていて(ルックスが悪いバンドばかりという訳ではありませんが、見た目に気を使わない連中が多いと思いませんか?)女性ファンも呼び込めそうです。

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2007年02月11日

I Am Ghost [Lover's Requiem]

B000I2IRLELovers' Requiem
I Am Ghost
Epitaph 2006-10-10

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ゴス+スクリーモな新人バンドによる1stフルアルバム。以前のミニアルバム[We Are Always Searching]がなかなか良かったので本作も期待していましたが、期待以上の出来。以前よりメタル度が若干増量し、タフになったサウンドにゴス風味の暗くせつない歌メロが絡む、ありそうでなかったタイプです。バイオリンが担当楽器の女性がヴォーカルも兼ねており、メインヴォーカルのスティーヴン・ジュリアーノとの絡みが“天使と悪魔”のようなとても良い対比と相乗効果を生み出しています。
スティーブンの歌いまわし、女性ヴォーカルの声質、前のめりな曲調とダークな歌メロなどの特徴を聴いて総合するとBLEEDING THROUGH+LACUNA COIL+MY CHEMICAL ROMANCEと形容できるかもしれません。
ゴス風味を醸し出す大きな役割を担っているのがその紅一点ケリス(Vo&Vio)の存在でしょう。単体のバイオリンが鳴らす悲劇的で情熱的で孤独感を煽る音色は、あくまでヴォーカル主体の曲に重要な1ピースを添えており、彼女のヴォーカルはLACUNA COILのクリスティーナ・スカビアに似て(あそこまで扇情力があるわけではないが)いて、曲によっては彼女がメインを張りアルバムが単調な一本道にならないための鮮明な道標となる重要な存在です。ストレートでエッジーな曲でもメロウな曲でも彼女のバイオリンやヴォーカルなどのテクスチャーが加わるとその楽曲の印象深さが変わる程で、こういったバンドのストロング・ポイントを生かすためにもメインヴォーカルのスティーヴンにはもう少し頑張って欲しいところです。
それにしても楽曲のクオリティーの高さは他の平均的なスクリーモ系バンドを完全に圧倒するものだし、第一印象の良さを聴くうちにさらに良いものに改めさせる内容の濃さは新人の成熟度からはかけ離れたものです。

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2007年02月09日

Daughtry [Daughtry]

昨年中に買っておきながら忙しさのあまり、まだ聴いていないアルバムが増えてきたので、普段よりサクッと紹介します。文章にする時間がないだけで、決してこれらのアルバムを軽視しているわけではないので、これまで同様の推薦盤です。

B000K2QL7Yドートリー
ドートリー
BMG JAPAN 2007-01-24

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アメリカン・アイドルというオーディション番組で注目されたクリス・ドートリー率いるバンド名義によるデビューアルバム。スキンヘッドで武骨なルックスからは想像できないような滑らかで良く伸びる声量と誠実さを帯びた声音が心地よいクリスのヴォーカルを中心に据えた大らかなハードロック(AOR風という言葉が通じるかわかりませんがそのような雰囲気)をやっており、シングル(1)It's Not Overに代表されるようにNICKELBACKとMATCHBOX TWENTYを掛け合わせたようなサウンドです。ブックレットにはクリス以外のメンバーも写っていますが、クレジットを見る限りバンドとしての活動はアルバム発表後からのようで、演奏陣はロックファンなら1度や2度は聴いた事のある腕利きミュージシャンの名が並び、コンポーザーについてもミッチ・アラン(SR-71)、ベン・ムーディー(EVANESCENCE)等などヒット曲を持っている人達が固め、そしてプロデューサーは現在売れっ子No,1プロデューサーのハワード・ベンソン・・・レコード会社の猛プッシュぶりが良く伝わってくる人選です。実際、その期待に違わぬ素材を生かした上での彼らの仕事っぷりは見事です。
ロックとして熱いか?と聞かれればそういうタイプではないと思いますが、クリスのヴォーカルに身を委ねて、伸び伸び歌う様に心惹きつけられる楽曲群はどれも並外れたものなので、これらが次々とシングルカットされると1年後もアルバムトップチャートに入っている可能性すらあります。特に(1)It's Not Over(2)Used To(3)Home(4)Over Youは素晴らしい出来!

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2007年02月04日

MY CHEMICAL ROMANCE [The Black Parade]

B000JLSVH4ザ・ブラック・パレード(初回限定盤)
マイ・ケミカル・ロマンス
ワーナーミュージック・ジャパン 2006-12-06

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前々作[I Brought You My Bullets You Brought Me Your Love]が出たとき、数年後このバンドがこのような作品を出すと誰が予想したでしょうか。前作[Three Cheers for Sweet Revenge]は私にとって(おそらくこうしたパンクやスクリーモを愛する全ての人達にとっても)衝撃的な傑作でした。パンク、エモ、スクリーモのいいとこ取りと評されたサウンドは当時蔓延っていたポップパンク勢を蹴散らす大胆さ・不敵さを放ちながら、スクリーモ系バンドがいまいちブレイクしきれない最大の要因であった聴きづらいスクリームを排除しながらもエッジを失わないジェラルド・ウェイの個性際立つヴォーカルが素晴らしく、元々持っていたポップセンスもハワード・ベンソンのプロデュースによってシンプルな曲構成の中でもその持ち味を発揮出来るまでになり、バンドの知名度を上げる事になる幾つものキラーチューン((1)Helena(4)You Know What They To Do Guys Like Us In Prison(5)I'm Not Okay (I Promise)(6)The Ghost Of You(9)Thank You For The Venomなど)を生み出しました。最近では珍しくロングヒットとなった前作は今までのところ100万枚以上売れており、本作はそうした期待の中発売される彼らにとって3枚目のアルバムとなります。

本作は(5)Welcome To The Black Parade1曲のためにあるようなアルバムではありませんが、それでもやはりこの曲の突出した完成度はアルバムの中で群を抜いていると言わざるを得ません。その1音で聴き手の耳を惹きつけるピアノ、マーチングバンドに乗ったイントロからMY CHEMICAL ROMANCEの何たるかを一気に爆発させ、エンディングでは本作のキーワードのひとつであるQUEENへのオマージュで締めくくる彼らの新しいアンセムはバンドの代表曲として愛され続け、10数年後にはクラシック・ロックになっているだろうことが容易に思い浮かべられるような名曲です。私はこの曲以外にも(8)Cancer(9)Mama(10)Sleep(11)Teenagersのまるで全然違うバンドの曲を集めたかのような楽曲をジェラルドの声が繋ぎとめている様な展開も気に入っています。
本作は明確な意味でのコンセプト作ですが、出来た曲に共通のテーマを見出し歌詞やメロディーを付けていったそうで、楽曲の方向性はこれまでのMY CHEMICAL ROMANCEと比べてさらに多岐(前述のQUEEN以外にも現在も普遍的なロックと同義語であるKISS、AEROSMITH等からの影響が色濃くにじみ出ている)に渡ります。それでも前作が遠くかすんでしまう様な突き放した感じがなく、前作のファンが自分の好きなMY CHEMICAL ROMANCEを確認できるのは、それはやはりジェラルド(彼はどんどん上手くなるというよりスティーヴン・タイラーのように独自の領域を築きつつある)の強烈な個性とこのバンド特有の艶のあるメロディーの継承に他ならないでしょう。
何も考えずに楽しむことも出来るし、歌詞を理解しより深くアルバムを楽しむことも出来る息の長い作品として聴きこむことが出来る、そんな作品であると感じました。
そしてなによりこのバンドがこのアルバムで成し遂げそうなこと、と期待しているのは、現代の細分化したロックマーケットにおいて久々にジャンルの壁を越えて評価される存在になるのではないか、ということです。今はその気になれば人はどんな情報でもインターネットを介して手に入れることが出来てしまいます。それは裏を返せば自分の必要な情報のみ手に入れてしまうとも言える訳で、リスナーがジャンルの壁を越えるのは何かしら大きなきっかけが必要なのだと思います。そんなリスナーの持っている壁を溶解してしまう力(懐の深さ)に漲っている本作の出来が正当に評価されればロックシーンの中でとても重要な位置に登りつめても何ら不思議なことではありません。

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2007年01月24日

Red Jumpsuit Apparatus [Don't You Fake It]

B000G0MI86Don't You Fake It
The Red Jumpsuit Apparatus
Virgin 2006-07-18

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またひとつ有望な新人の登場です。フロリダのジャクソンヴィル出身の5人組でこれがおそらくデビューアルバムになります。そのサウンドは例えるならWAKING ASHLANDのジョナサン・ジョーンズ(Vo)がバンドにSTORY OF THE YEARを従えて自らフロントに立ち、歌っているようなサウンドで、美しいメロディーの瑞々しさとSTORY OF THE YEARなどスクリーモ系が持つドライブ感を併せ持つのが特徴です。ジャンル分けすればエモ/スクリーモに分類されるバンドですが、曲を1回聴いただけで口ずさめるようなポップなヴォーカルメロディーと適度にハードな質感を帯びたギターを中心としたサウンドが心地よく、ポップフィールドに進出できる程の普遍的な魅力に溢れたロックバンドと言えるでしょう。
特に(1)In Fate's Hands〜(6)Cat And Mouseの流れは素晴らしく、飛び跳ねるような若々しさと、どうしたって耳から離れない甘くせつないメロディーの洪水で時間が経つのも忘れてしまうくらいです。どの曲もシングル候補となるようなキャッチーなメロディーが存在し、なおかつそのどれもが幾つもの色彩を表しており、似たような歌メロにならない曲作りをすることが出来る器用さを持ち合わせた新人という意味で同系統のSAOSINに並ぶ存在ではないかと思います。
シングル曲(4)Face Downは1度聴けば“アルバムを聴いてみよう”と思わせるだけの十分な引力を備えているアルバムのハイライトとなる曲ですが、他にも(3)False Pretense、(8)Atrophyなど同等の魅力を備えた曲が並び、アルバムを聴き終わると再び再生ボタンを押さずにはいられない中毒性を持っています。

ただひとつ気になるのは申し訳程度に挿入されるスクリームの貧弱さでしょうか。取ってつけたように苦しそうな声音で挟まれる叫び声はせっかく素晴らしいメロディーがあるのにそれを興ざめさせる効果しか得られていないように思います。(実際にも(4)Face DownのPVではそのわずかなスクリームを編集でカットしたバージョンになっている。)

このアルバム、国内盤の発売が2月末に決まりましたが最近は良いバンドでも国内盤のリリースが見送られたり、大幅に遅れる事も多々あるので、もし試聴して気に入ったのなら輸入盤を購入してしまった方が良いと思います。国内盤の発売を待っている間に購入欲がそがれ、新たなCDへと気持ちが移りこのバンドの存在が埋もれてしまうのはもったいない事だと思うので。SAOSINとのセットでの来日願!!

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2007年01月01日

BLIND GUARDIAN [A Twist In The Myth]

B000GLKRDSA Twist in the Myth
Blind Guardian
Nuclear Blast 2006-09-05

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ドイツが誇るメタルバンドのひとつではあったにせよ、最近はAVENGED SEVENFOLDの発言(BLIND GUARDIANやSONATA ARCTICAに影響された)でアメリカ市場でも急速に注目度が高くなっているBLIND GUARDIANのニューアルバムが素晴らしい内容になっています。
前々作[Nightfall In Middle Earth]はそれまでの集大成的作品として“極めた”アルバムであったとするならば、前作[A Night At The Opera]はBLIND GUARDIANが自分たちが進むべき方向を吟味し見事具現化し、新しい領域へ踏み出した作品でした。
本作も基本的にその前作を踏襲した内容になっていますが、その表現力はより多角的に広がり、疾走するメタルとクラシック音楽のクワイアやケルト音楽の牧歌的なメロディーを組み入れたスタイルにロックンロールの要素も顔を覗かせる幅広さを持ち、デビュー時にはヴォーカルさえ良ければ...などと揶揄されることもあったハンズィのヴォーカルもクリーンな高音から朗々と歌い上げる低音まで非常によく声をコントロール出来るまでになり、ジャーマンメタルファンはもとより、もっと潜在的なメタルファン(例えばEVANESCENCEは聴くが他のメタルは全く知らないようなファン)までも取り込もうとするような野心的な内容となっています。
先行シングルになった(4)Flyはまさにそういう曲で聴いてまず思ったのが随分シンプルだなということと、ハンズィのヴォーカルの変化です。ヴォーカルのメロディーを無視して聴いてみるとメタルというよりもほとんどロックンロールといえるほど“軽さ”を持った曲で、ヴォーカルメロディーこそBLIND GUARDIANのものですがハンズィのヴォーカルスタイルは力んだり、ザラつかせたりすることなく非常に“キレイ”な印象を与える歌唱でした。私はこの1曲を聴いて非常に不安を覚えた一人ですが、こうしてアルバム通して聴いてみるとそれはBLIND GUARDIAN印の付いた恐ろしくクオリティーの高い楽曲ばかりであり、BLIND GUARDIANとしての根幹には、これまで彼らのライブに足を運んだファンを納得させる基本を崩さずに、飽くなき質の追求と新しいことへの挑戦をしつづけるストイックさが伝わって来ます。“漢”らしさが大幅に薄まり、これまで長尺傾向にあったのが4〜5分台とコンパクトに収まった楽曲に“物足りない派”“新規参入派or再発見派”に別れそうですが、物足りないと感じる方もアルバム通して聴いた時の満腹感も決して前作に劣るものではないと思いますし、個人的には過装飾と感じた前作のアレンジと比べてダイレクトに曲そのものの良さが伝わってくるアレンジのレベルであると思います。(1)This Will Never End(2)Otherland(3)Turn The Pageの流れは完璧なBLIND GUARDIANだし、お得意のケルト節全開の(9)Skalds & Shadowsもあります。アルバムを何度も何度も聴いてるうちに始めは少し懐疑的だった自分の中でもこのアルバムはどうやら重要なものになりそうだという実感が湧いてきました。
2月にはANGRAとの奇跡のようなカップリング・ツアーが実現する彼ら。ヨーロッパでの彼らの人気に比べると日本での彼らはもっと評価されていいような気がするので、ぜひこの来日公演を起爆剤にしてほしいものです。
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2006年12月24日

POISONBLACK [Lust Stained Despair]

B000H3064ALust Stained Despair
Poisonblack
Century Media 2006-09-04

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SENTENCED存命時にサイドプロジェクトとして存在したヴィレ・レイヒアラのPOISON BLACKが彼の新しいライフワークとなり、通産2枚目のアルバムをリリースしました。1stアルバムではヴィレはギタリストでしたが本作では1stアルバムで歌っていJ.P.レパルオトがの脱退によりヴィレがヴォーカルを兼務しています。本作を聴いて思うことはSENTENCEDはやはりSENTENCEDであったということでしょう。現在、ヨーロッパに広く蔓延するゴシックメタルなるものはSENTENCEDやPARADISE LOST等のバンドによってその下地が作られ、その後数多くのバンド達にその型が様々な解釈で受け継がれ、特にヨーロッパではひとつのジャンルとしてしっかりとシーンに根付いていますが、彼らが別格とも言える存在感を発していたのは、ゴシックメタルたる暗く冷たい様式美に80年代のヘヴィメタルにあった細やかな構築美、叙情性を導入することによって生まれる激しさ、重さとエモーショナルなメロディーの劇的な融合に言及することが出来るのではないかと思います。特に遺作となった[The Funeral Arbum](2005)ではメタル的ダイナミズムとゴシックの持つ耽美的な美しさと彼ら特有の激情が高次元に融合し、このスタイルにおけるひとつの最終形を提示しました。そのヴィレがいるにも関わらずこのPOISON BLACKはSCNTENCEDとは基本的に異質のものであると感じます。もともとSENTENCEDはガッチガチのデスメタルバンドとしてスタートしているので、そこには最初からメタル特有の早く複雑なリフがありバンドの最終形に至るまでにもそうした伝統的なメタルの要素に溢れていたのに対して、本作にてヴィレが弾くギターにはそういったメタル様式の影響が薄い感じがします。どちらかというとHIMが実践しているような、初期ブラックサバスから影響を受けた90年代のヘヴィロック的な音圧を重視したようなものが目立ちます。よって繊細なアレンジと絶望感を想起させるメロディーで劇的なメランコリズムを表現する方向性は同じでもSENTENCEDがメタルに軸足を置いているとするならば、POISON BLACKはヘヴィロック的な質感が含まれていると感じました。もちろんSENTENCEDにはミカ・テンクラ(g)とサミ・ロパッカ(g)という作曲担当のメンバーが他にいたのでそこが一番の違いを生み出しているのは当たり前ですが、ヴィレが歌っていることで薄まるギャップは想像以上に大きいし、それだけの特徴を持ったヴォーカリストということなのでしょう。
このアルバムは我々がPOISON BLACKに対して(ヴィレに対して)期待するものをかなり忠実に提供してくれています。SENTENCEDが宿していた独特の“冷気”のようなものは薄れ、逆に“慟哭”と呼ぶに相応しいヴィレの煮えたぎるようなヴォーカルを中心に据えたドラマティックで強烈なフックを持った曲が多くPOISON BLACKとしての個性を確立しています。
しかし冒頭にも述べたようにSENTENCEDを失った喪失感が癒されることはありませんが、少なくともそのDNAを受け継ぎつつ転生したバンドの作品として素晴らしいアルバムですし、逆にHIMなどを聴くファンが始めてこの名前を聴いたのならぜひ聴いていただきたいとお勧め出来るものです。

試聴する(4曲目のRushのVideoが見られます)
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2006年12月10日

Killswitch Engage [As Daylight Dies]

B000J103KMAs Daylight Dies
Killswitch Engage
Roadrunner 2006-11-21

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ヘヴィーメタルという狭義な音楽ジャンルの中にも様々な方向性やトレンドがあり、その中でKillswitch Engageは今最前線を走るバンドのひとつとして認識され、本作によってメタルミュージックそのものを牽引する存在に大きくステップアップしようとしています。彼らやSHADOWS FALLが新しいメタルとしてアメリカ国内で認知され“メタルコア”や“MAメタル”という言葉がもてはやされる様になったのは、彼らがハードコアバンド出身メンバーによって結成され、ハードコアのエッジを持ち込んだメタルナンバーを評して使われるようになったのが起源ではないかと思います。初期のサウンドこそそういったハイブリッド感が漂っていたものの今ではすっかりメタルバンド以外の何者でもありません。そのクオリティーは本作でも上昇するいっぽうのようで、叩き上げのライブバンドとしての自信・余裕と自分たちがやっていることに対する確信に後押しされた楽曲はもはやアンダーグラウンドな世界を超越し、メタルバンドとしては異例とも言えるほどのメジャー感を漂わせています。
脳内を巨大なブルドーザーで蹂躙されるような圧倒的な殺傷力を備えたギターリフはさらにへヴィーにキレ味鋭くなっているように感じますが、ギターリフ自体が放つメロディー感が異常なまでにキャッチーで耳を捕らえて離さず、その上に乗るハワード・ジョーンズのヴォーカルはさらにインテンスに、よりロマンティックに聴くものの感情を揺さぶります。前作のような判りやすい1曲があるわけではないのに、前作以上に聴きやすく感じるのはこうしたライブでの大合唱を意識したアレンジの増量とそれを可能にしたハワードの七色のスクリームとスクリーム以上に“魂”を感じるメロディーヴォーカル、そして前作以上に増したアダム(g)のライヴでのキレコミカルなパフォーマンスからは想像しがたいクールなメロディーヴォーカルなどによって曲単体の出来が飛躍的に向上したことによるアルバム全体のクオリティーの向上が要因でしょう。シングル曲(5)My Curseに限らず、どの曲にもライブで大合唱確定の素晴らしいメロディーがあり、そのどれもが安っぽいポップなものにはなっておらず、もはやKILLSWITCHしか創造出来ない壮大でエレガントな雰囲気が醸しだされています。初めて聴く方には(5)My Curseや一際ドラマティックな(3)The Arms Of Sorrowがお勧めですが、個人的に本作で一番と感じたのは(9)Break The Silenceです。現在のバンドのポテンシャル全てを出し切ったような重厚壮大なギターに強烈なスクリームと勇壮なメロディーを最良の形で聴かせるアレンジは見事で、疲弊した社会に対して自己の覚醒を即す歌詞も素晴らしい内容で、曲の3分過ぎの静寂の後のハワードの絶叫には鳥肌モノです。他には(10)Desperate Timesの今までの彼らになかったようなDEFTONES風のエピックな手法も新鮮です。

興味深いのは、先ごろリリースされたTRIVIUMのニューアルバムとの比較です。20歳そこそこと若いメンバー構成のTRIVIUMは自らの愛する音楽に対するルーツの探究を楽曲作りに投影させ、自らの血肉としてバンドの方向性を変化させているのに対して、Killswitch Engageは自ら起こした灯火を大きな炎へと堅持、そして昇華させることでARCH ENEMY風IN FLAMES風といった北欧デスメタルからの脱却(もともと彼らのサウンドは北欧勢とはギターリフもメロディーの質も違ったが)と自分たちのサウンドを完全に唯一無二のものへと深化させることに成功しています。どちらも今後のメタル界に大きな影響を与えるバンドだけにこの方向性の進化と深化の違いは今後ふたつのバンドをどう位置付けていくのかという点で非常に興味深く楽しみでもあります。

試聴する(今ならDIOのカバーが聴けます。やるな!ハワード笑)
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2006年12月03日

SUGARCULT [Lights Out]

B000G5S704ライツ・アウト
シュガーカルト
カッティング・エッジ 2006-08-30

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通算3作目となったSUGARCULTの新作[Lights Out]はパワー・ポップ、ポップ・パンクと呼ばれた1stアルバムのころから又さらに右肩上がりの成長曲線を描き、メンバーの人間としての成長、価値観の成熟などが歌詞や音作りに表れ、いつもながら胸をしめつける様なメロディーと非凡なポップセンスで埋め尽くされた充実の3rdアルバムとなっています。デビューアルバム[Start Static]当時からパワーポップ系でありながら他の同系バンドの“勢いまかせ”的な雰囲気のない肩の力の抜けたスマートな楽曲が印象的な彼らでしたが、アルバムを重ねる毎に良いメロディーはそのままに深みを増して、より幅広い意味でのロックバンドとなりました。
本作を聴いて最初に気付くのは曲の良さもさることながらヴォーカルのティムの表現者としての大きな成長でしょう。少々しわ枯れた声が彼の魅力ではありましたが、声音自体に感情表現がよりダイレクトに伝わるようになり新たな楽器がひとつ加わったような新鮮さすら感じます。(7)Made A
Mistakeなどは今までの彼の歌唱にはなかった“生々しさ”や“ソウル”が感じられ、説得力という点ではこれまでと違う深みが感じられる一因となっています。
楽曲は、例えるならGREENDAYの[AMERICAN IDIOT]の愁いに満ちた側面を彼らの持つポップセンスと上手くすり合わせた様な雰囲気とJIMMY EAT WORLDの曲作りの上手さに肉薄する出来を誇り、プロモーション次第では大きな成功に繋がる可能性を感じさせる良質な楽曲が並びます。勢い良く始まる(1)Lights Outからの(2)Dead Living(3)Los Angeles(8)Riotは彼ららしい勢いとメロディーの心地よさを堪能出来る楽曲として歓迎されるだろうし、(4)Do It Aloneや(7)Made A Mistake(10)Shakingは成熟した彼らのしなやかなポップセンスが光っており、前の方が良かったとは決して感じさせない魅力を放射しています。彼らが成長した分だけ、本作でまた新たにファンが増えてくれたら、と思わずにはいられません。

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2006年11月23日

ANGRA [Aurora Consurgens]

angra-auroraconsurgens.jpgオーロラ・コンサルジェンス
アングラ
ビクターエンタテインメント 2006-10-25

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彼らにとっての現時点での金字塔とも言うべき前作[Temple Of Shadows]は、彼らがもはやメロディック・スピードメタルの枠に収まりきらない才能を証明し、ANGRA流のプログレッシブ・メタルを提示し誰もが到達出来なかったDREAM THEATERの領域に足を踏み入れた傑作となり、当時世界的ベストセラーとなっていたダン・ブラウン著[ダ・ヴィンチ・コード]のセンセーションとの相乗効果もあり大きな成功を収めました。

膨大な情報量で満たされ、その全てが重要なピースと言えた前作と比べると、本作の製作過程には(BURRN!誌のインタヴューを読む限り)ANGRAファンからするとネガティブに捕らえがちな事実が幾つかあります。
(1)急なアルバム製作によって十分な楽曲が揃わなかったこと。
(2)(1)によって作曲の要であるラファエルの曲がとても少ないこと。(ラファエルは前作に対するプレッシャーからなかなか曲が出来なかったとも告白している)
(3)前作製作時からのエドゥ(Vo)の声帯の状態悪化により高音を抑え、多少ラフな歌唱に変化していること。
などです。
しかし、そうした状況によってANGRAの底力も十分に発揮されています。例えば、
(1)ラファエルに代わってメインソングライター的役割を果たしたキコの楽曲の出来の良さ。
(2)フェリペ(b)が初めて楽曲提供した事実。
(3)シンプルであるがゆえに表出したグルーヴやヘヴィさ、それに馴染むエドゥのブルース・ディッキンソン的ヴォーカルの魅力(Scream Yuor Heart Outは素晴らしい)
などです。
(1)The Course Of Natureは本作を象徴するようなシンプルでありながら今までのANGRAにはあまりなかったグルーヴを感じさせ、(2)The Voice Commanding Youではとても彼ららしいサウンドで安堵感を与え、静と動を行き来し、キコのギターが素晴らしい(3)Ego Painted Grey、エドゥの曲らしいバラード曲(4)Breaking Ties等聴き所が多く、さらには本作の最大のハイライトといえる(6)Window To Nowhere〜(7)So Near Do Farでは起承転結を持ったANGRAらしく音数の多い(6)から素晴らしいメロディーとブラジルのバンドらしい雰囲気で本作の中でも際立った個性を放つ(7)は今後のライブで聴くのが本当に楽しみな楽曲です。前作が傑作であり、本作に我々が期待する壮大なクワイアや疾走するメロディック・チューンはそれほど多くないもののシンプルな(他の凡百のバンドに比べればそれでもかなり複雑だ)バンドサウンドに徹した本作の曲がライブでどのような魅力を発揮するかも大変楽しみではあります。彼らは今回BLIND GUARDIANとダブル・ヘッドライナーという形ではあるもののシート付の渋谷公会堂での公演も実現しました。確実に大きなバンドに成長しつつある彼らに期待したいと思います。
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2006年11月11日

RIOT [Thundersteel]

B0000026JRThundersteel
Riot
Epic 1990-10-25

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TRIVIUMの新作を気に入り、メタルの過去の歴史を振り返ろうという貪欲で勤勉なロックファンは多いと思います。マスターピースとも言えるIRON MAIDENの[Number Of The Beast]、METALLICAの[MASTER OF PUPPETS]、JUDAS PRIESTの[Painkiller]、PANTERAの[Vulgar Display Of Power]などなど挙げればキリが無いですが、そうしたバンドほどの認知は得られなかったRIOTが出した[Thundersteel]は80年代後期のパワーメタルを代表する作品として上記4作品と並べて聴いても聴き劣りしない名作だと思います。RIOTはもともと70年代後半にデビューしているベテランで1st[Rock City]、2nd[Narita]といった名作を残したバンドでリーダーのマーク・リアリ(g)以外はメンバーも流動的で本作でヴォーカルを務めるトニー・ムーアで3代目だか4代目のヴォーカリストとなります。歴代のヴォーカリストとの決定的な違いは無理なく高音が出せる技巧派ということでしょう。
JUDAS PRIEST譲りの正統派ブリティッシュ・ヘヴィメタルの高貴さと当時新たな流れを作り出していたHELLOWEENなどのジャーマンメタル勢の攻撃性やスピードが加味し、そこに無理なくハイトーン・ヴォーカルを決めるトニーのメロディアスな歌メロと泣きのフレーズを連発するマークのギターが高次元で融合する奇跡のパワーメタルが展開され、RIOT史上最も攻撃的でありながら優れたメロディーセンスを失なわないバランス感覚が見事なアルバムと言えるでしょう。
アルバム・タイトル曲(1)ThundersteelはこれまでのRIOTからは想像出来ないようなパワーとスピードに漲っていて、トニーのハイトーンが炸裂する歌メロとの共存は当時聴いていてとても新鮮だったのを憶えています。もはや現代のメタルバンドは出せない威厳に満ちた(3)Sign Of The Crimson Storm、(1)同様にスピード感とメロディーが溶け合う(4)Flight Of The Warrior、DOKKEN等のLAメタルに影響されたかのような、アルバム中最もわかりやすい楽曲(7)Bloodstreets等はこのアルバムで再起を狙っていたであろうマーク・リアリの意気込みを感じる名曲です。
アメリカのバンドでありながらヨーロッパのバンドのような劇的な展開と歌メロを持つRIOTの存在は日本やヨーロッパでは高い人気を獲得しましたが、流動的なメンバー構成や良いマネージメントに出会えなかったことなど才能以外の要因が影響し、現在では“マニアしか知らないバンド”的キャリアに留まっています。
若手バンドが80年代回帰的な作風を押し出し、メタル・シーンが盛り上がっている今だからこそ、彼らのような才能に多くの人に気付いて欲しいと思い取り上げました。
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2006年11月07日

36CRAZYFISTS [A SNOW CAPPED ROMANCE]

36crazyfists-asnowcapped.jpgスノウ・キャップト・ロマンス
36 クレイジーフィスツ
ロードランナー・ジャパン 2004-03-10

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本作はすでに発売されてから2年近く経つアルバムですが、36CRAZYFISTSはアラスカ出身というロックバンドとしては非常に珍しい場所から出てきたバンドで、私もこのアルバムを発見するまでその存在を知りませんでした。その出音はヘヴィロックでありながら、ヴォーカルはスクリームとメロディー・ヴォーカルを使い分けるスクリーモやメタルコアタイプ。そして印象に残るメロディはアラスカ出身のせいかLAやNYのバンドとはどこか一線を画したもので、激しい音像の中にも埋もれない叙情味を感じさせるそのメロディーはアメリカのバンドというよりはどこかヨーロッパの匂いが漂っています。やはりアラスカも寒いところなので、そういった気候の違いが影響しているのかも知れません。
1曲目の(1)At The End Of Augustはこのアルバム、そしてこのバンドを知るうえでとても良いインパクトを与えてくれます。実際私も当時purevolumeで聴くことが出来たこの曲に大きな衝撃を受けてCDを即買いしました。また(3)Bloodwork(5)Skin And Atmosphere(8)Destroy The Map(9)Installing The Catheter等彼ら独自のメロディセンスがよく出た楽曲が多く、どの曲も独立した魅力を放っているのも大きな特徴でしょう。
そうした骨太で攻撃的なギターサウンドとキャッチーな歌メロが目立ちますが、なんといってもヴォーカルのブロック・リンドウの特殊な声質が耳に残ります。ザラついた質感と艶を併せ持つという意味でLINKIN PARKのチェスターに似たタイプですが、前作ではやや神経質気味な歌唱に聴こえた印象を完全に払拭し、ダイナミックなスクリームとそのテンションを持続したまま伸び伸びと歌い上げるメロディックヴォーカルは36CRAZYFISTSの突出した個性へと昇華しています。
ヘヴィロックともスクリーモともメタルコアとも呼べない、言わばそのいいとこ取りなサウンドがもしかしたら唯一のネックとなるかもしれませんが、肝心なのはバンドのスタイルではなく曲の出来そのもので、ヘヴィなサウンドと良いメロディーに中毒という方なら彼らの魅力を存分に楽しめるでしょう。
間もなく発売になる待望のニューアルバムも試聴した限り本作を踏襲した内容のようなので、新作を聴いて気に入った方は本作もぜひお薦めします。

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2006年11月04日

WINGER[Winger]

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Winger
Atlantic 1990-10-25

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なんと解散から10年以上経って再結成し、新作[W]を発表するWINGERの記念すべきデビュー・アルバムです。WINGERは90年代に入ってグランジ・オルタナティブ時代に突入するまでに輝いた最後のバンドのひとつです。彼らがデビューするころはすでに80年代のハードロック・ヘヴィメタルのムーブメントは飽和状態に近づきつつありましたが、WINGERのデビューは実力派ミュージシャンが集まり、華やかなルックスと成熟した楽曲、RATTのプロデューサーとして有名なボー・ヒルのプロデュースということで期待の新人として紹介されました。テクニカルな演奏でありながら親しみやすく耳を惹きつけるアレンジの巧みさ、シリアスな曲もパーティー・ソングも徹底してメロディーの判り易さを前面に出すソング・ライティングは新人バンドのアルバムとしては驚異的な完成度でした。
本作からのセカンド・カットとなった(3)SeventeenがMTVから火が付き、しっかりしたライブも評判になりそこから雪だるま式にアルバム・セールスは伸びていきました。この曲に加えて、パワー・バラードでありながらバンドのミュージシャンシップが大いに発揮された壮大な(10)Headed For A Heartbreakがシングルとして大成功し、ライブ活動も大物バンド(KISS、SCORPIONSなど)の前座を勝ち取り、アルバムのセールスはいつの間にか200万枚に到達しました。(3)Seventeenや(8)Poison Angelなどは一聴するとポップなパーティーソングですが、とても複雑なリフとリズムによって構成されていて、ライブでのレブ・ビーチ(g)の指の動きやロッド・モーゲンステイン(Dr)の満面の笑顔での超絶テクニックはその他のLAメタル勢とは明らかに一線を画していました。当時ポップなハードロックを好んで聴いていた私に間接的により複雑な音楽(プログレッシブ・ロック)への興味を持たせてくれたのはこのWINGERのライブだったといっても過言ではありません。そのWINGERの才能の中心にいたのがキップ・ウィンガー(Vo、b)ですが、天性のルックスと洗練された身のこなしからポーザー扱いを受けたり、本当は楽器を弾いてないんじゃないか、などと色々言われましたが、音楽理論を学んだ彼の作るメロディーラインはポップであっても何か気高さを感じさせるような独特なもので、この1stアルバムでも(2)Hungry、(10)Headed For A Heartbreakなどに顕著に感じ取れます。
彼らの場合2ndも3rdも素晴らしいですが、個人的は80年代的ゴージャスさとWINGERの魅力が一体になった作品という意味で本作が一番気に入っています。新作[W]からWINGERを知った方には本作の煌びやかなサウンドにまた違った印象を持たれるでしょう。
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2006年10月25日

TRIVIUM [The Crusade]

trivium-crusade.jpgTHE CRUSADE
トリヴィアム
ロードランナー・ジャパン 2006-10-04

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――TRIVIUMは進歩し続けている。―――
前作[Ascendancy]は北欧メロディック・デスメタルへの憧れをそのまま表現した1stから大きく進化し、“TRIVIUM自身のメタル”へと成長した大出世作となり新世代ヘヴィメタルの旗手と言われる程の評価と成功を手に入れました。デスメタルの獰猛さ、正統派メタル的構築美、キャッチーなヴォーカルによる取っ付きやすさを備えた[Ascendancy]は若いメタルファンには新鮮さと衝撃を与え、長年のメタルファンにはアメリカからこういうバンドが登場したというメタルシーン自体のポジティブな変化を歓迎しました。
そんな彼らの3rdアルバムは当然注目が集まる訳ですが1stから2ndへの過程を上回る飛躍的な成長を遂げています。演奏がタイトでよりテクニカルになったのは前作に伴うツアーの賜物でしょう。叫ぶのを止めたのは彼らの前作発表後からの学習能力(彼らの興味は北欧デスから遡って80年代メタルへと向けられたようだ)やシーンの先を読む洞察力(メタルコア界のその他大勢との差別化)などが影響しているでしょう。
革新的というわけではありませんが、ギターリフの持つ殺傷力(特に顕著なのは80年代ベイエリア・スラッシュのような鋭利で複雑なギターリフの影響)と正統派メタルからデス、スラッシュの様式まで網羅する多彩さが、ただ叫んでいるだけではない“ちゃんと考えられたヴォーカルメロディ”を駆使することで前作以上の深みのある作品になっています。今回大成長したマットのヴォーカルはARCH ENEMYの前座で来日したときは勢い任せでメロディーヴォーカルは結構甘かったですが、そのメロディーセンスを存分に発揮した新曲をライブでどこまで表現出来るのかも見ものです。そして、散々言われていることではありますが、やはりMETALLICA、MEGADETHの影響は作品のあちこちで感じることが出来ます。
前作以上にフューチャーされているギターソロに関してはやや弾き過ぎの感は否めません(メロディーよりもテクニックが優先される場面があり、マイケル・アモットのようにテクニックに裏打ちされた素晴らしいメロディーばかりという訳ない)が、今自分たちがやっていることに対する自信と情熱と勢いをぶつけたような圧倒する力に満ちていて決して曲から浮いていないのも成長した証でしょう。

もはや今の時代にこの[The Crusade]がMETALLICAの[MASTERS OF PUPPETS]のような革新性は求められませんが、あのころの興奮やメタル熱は間違いなくこのアルバムからも発せられています。AVENGED SEVENFOLD、BULLET FOR MY VALENTINE、Killswitch Engageなどとこれからのメタル界を引っ張っていく者として確かな存在感を見せつけた傑作です。聴き逃さないでくださいね。

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2006年10月12日

Saosin [Saosin]

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Saosin
Capitol 2006-09-26

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SAOSINはこれが1stフル・アルバムとなるカリフォルニア出身の所謂スクリーモ系のバンドです。デビュー前から相当話題になっていたので私もpurevolumeやmyspace等で音を聴いていましたが、このアルバム、予想をはるかに上回る良いで出来です。
“スクリーモ”と呼ばれるカテゴリーはメディアの過剰な取り上げ方や、メジャー/インディー問わずレコード会社のバンドの青田買いによってすでに飽和状態に達しており、そうした音楽性を有するバンドたちは早くも“脱スクリーモ”的なアプローチを取る動きが目立ってきました。しかし、この遅れてきた大型新人はスクリーモの完成形とも言える楽曲クオリティーの高さを示すことで強烈な存在感を放っています。
音楽的にはThe Beautiful Mistakeあたりに近いのだろうと思いますが、SAOSINには絶叫スクリームはありません(EPではスクリームしていましたが)。高音が良く伸びるヴォーカル(前任者脱退時に一時的にSTORY OF THE YEARのフィリップ・スニードがヴォーカルを勤めたそうだが、確かにこの高音は彼以外に歌いこなせる人は少ないだろう)がセンシティブな感性を表現するメロディーは“エモ”そのものですが、余分なスクリームがない分そのメロディーやコーラス・アレンジ(ハワード・ベンソンのプロデュースによる効果大か)も含めて非常によく練られていて、流れるように、しかし同時に一つ一つのメロディーがとても印象的で、ザクザクしたギター(トーンにも特徴がある)や、特徴あるビートを叩き出すドラムとともに光っています。切ないメロディーでありながらその中に希望や温かさ、包容力のようなものを感じさせてくれるポジティブさに満ちたメロディーこそこのバンドがデビュー間もないにも拘らず国内で大きな人気を得ている最大の特徴でしょう。
どの曲にも幾重にも重なるヴォーカル・ハーモニーとコードをかき鳴らすだけに留まらない立体的なギター、手数足数の多いドラムが印象的ですが、あえて幾つか曲を挙げるとすれば(10)You Are Not Aloneでしょうか。やさしいメロディーとスロウなテンポが印象的で、たとえばWAKING ASHLANDが[I Am For You]1曲によってブレイクしたのと同じ効果を予感させるポテンシャルを秘めているのではないでしょうか?アルバムの中でも最も即効性のある曲でしょう。(1)〜(3)のたたみかけるような展開も素晴らしいです。アルバム全体として見ても捨て曲はないのですが、じっくり聴かせるタイプのミディアムナンバーが多い中で(2)Sleepers(3)It's So Simpleのようにロックでタフな曲の魅力が引き立っています。CDショップの試聴機に入っているところもあると思うのでぜひ(1)〜(3)を聴いてもらいたいです。
国内盤の発売がいつになるのか判りませんが、もう少し早く発売されていれば来日するTaste Of Chaos Tour '07の集客にも繋がったんじゃないのか?と考えてしまうくらいの充実の内容です。個人的には今年の新人の中でも突出した印象を持つバンドのひとつです。

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2006年10月04日

IRON MAIDEN [A Matter Of Life And Death]

B000H7JD4KA Matter of Life and Death
Iron Maiden
Sanctuary 2006-09-05

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おそらく今年発売になるハードロック/へヴィメタル系アルバムの中でも最も重要なアルバムのひとつ、IRON MAIDENの[A Matter Of Life And Death]が発売になりました。
ブルース・ディッキンソンが再加入して3作目となりましたが、このところの欧米でのバンドに対する追い風を受けてか、とても野心的なアルバムという印象を受けます。おそらくアルバム全体通してここまで密度の濃い、音数の詰まったアルバムはIRON MAIDENの全カタログ中1番ではないでしょうか。
前作[Dance Of Death]は、新生IRON MAIDENのスタートを成功させた前々作[Brave New World]を受けて、よりバラエティーに富んだ個性の強い楽曲を集め、飽きの来ない素晴らしいアルバムでした。
本作はすでに各メディアで“複雑な”とか“プログレッシブ”などと表現されている通り、多くの要素が詰まった複雑でシリアスなアルバムであると思います。1曲1曲のブルースの歌唱のアグレッシブさや歌詞内容のシリアスさ、ギターリフの重さなど、いつものIRON MAIDENの作品よりへヴィだと感じる要素がアルバム全体を支配しています。もともと長めの曲が多いバンドではあるものの、[戦記]という邦題が表すとおりアルバムを通して一貫したトーンがあり、現代の世相を映し出すかのようなダークなムードを感じます。CDのブックレットでは“なぜだか判らないが当初のテンポよりも遅くなっていた”曲をそのほうが重みや威厳といったものを表現出来て良いからという理由でそのままレコーディングされたことも、何となく前のめりな疾走感が感じられない理由でしょう。しかしこのような書き方をしたからと言って否定的なわけではありません。聞き手に集中力を要するという意味で前作のような即効性はありませんが、聴けば聴くほど新たな魅力を発見できる緻密な構成力をまざまざと見せつける曲は実は1曲1曲聴くと最初に感じた“ダーク”といった印象は感じず、いつものIRON MAIDENと同列に並べても一切違和感は感じない曲ばかりです。私自身もこのアルバムを何度となく聴いていますが好きな曲もどんどん変化し(ちなみに私が現時点で1番気に入っているのは(5)The Longest Day)、結局IRON MAIDENは全くブレていないのだ、という結論に至りました。2・3回アルバムを通して聴いたら後は気に入った曲だけ再生したくなるアルバムが乱発される中、IRON MAIDENは常にアルバムをひとつの単位と考え創作してきて、本作でも繰り返し聴きたくなる魅力満載でバンドが迎えた何回目かの全盛期はまだ続くと確信出来るアルバムだと思います。

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2006年09月20日

Unearth [V:In The Eyes Of Fire]

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アンアース
3Dシステム 2006-08-08

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アメリカのメタルコア・シーンでKILLSWITCH ENGAGEやSHADOWS FALLに次いで重要な位置を占めつつあるUNEARTHの通算3枚目のアルバムが発売されました。上記2バンドもUNEARTHもそうですがハードコア・シーンに軸足を置いていた過去と、北欧デスメタルに影響されたメタル以外の何者でもないサウンドでメタルコアという言葉を生むきっかけを作ったバンドとして本国では十分な注目を浴びているアルバムです。
他の同系バンドがメロディーを増量している中で明らかに差別化を図っているようなブルータルな方向性を示しており、80年代後期のスラッシュメタルやTHE HAUNTEDのようなデスラッシュ・サウンドの色合いが強く、全くメロディー無視の吐き捨てヴォーカルとテリー・デイトのプロデュースによって壁のようにそびえる獰猛なギターリフが終始雪崩れのように聴いている者に迫って来るようで、そこにテクニカルでメロディーを多分に含んだギターソロがモノトーンの楽曲にカラフルな色合いを加えています。この暴力性に満ちた曲と艶やかなギターソロが絡むコントラストがアルバム全編を通して全く緊張感を失うことなく貫かれています。そのおかげか、これだけへヴィーな内容にもかかわらず45分足らずの本編はあっという間にラストの(11)Big Bear And The Hour Of Chaosへと行き着いてしまいます。

これから来年にかけてアメリカのメタルシーンはTRIVIUM、KILLSWITCH ENGAGE、SHADOWS FALL、MASTODON、MEGADETHの新譜などが控えており、すでに発表されたSLAYER、IRON MAIDEN、LAMB OF GOD、ATREYUなどの新作も含めて、80年代のメタルシーン以来最大級の大きな波が来ようとしています。
このUNEARTHも必ずシーンの一翼を担うバンドのひとつとなると確信できるアルバムと言えるでしょう。

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2006年09月13日

WIG WAM[Hard To Be A Rock'n Roller...In Tokyo]

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ハード・トゥ・ビー・ア・ロックンローラー

ウィグ・ワム
キングレコード 2006-08-23

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日本では順序が逆になって発売されたノルウェーのWIG WAMの1stアルバムです。時代錯誤でど派手なルックスとそこからは想像もつかないハイクオリティーな楽曲で輸入盤の時点からかなり話題になり、続く2ndアルバム[WIG WAMANIA]での日本デビューを経て今回晴れて1stアルバムの国内盤がリリースされました。
彼らの驚くべきクオリティーを誇る楽曲は一言で言うなら80's ポップメタル。しかもBON JOVI登場以降のキーボードを大幅に導入し洗練されたサウンドと一緒に歌える分厚いコーラスを満載したキャッチーなポップメタルで、私のように当時からロックを聴いている者には聴き終わるころには80年代に聴いた全てのポップメタルバンドを思い出したと言っても過言ではない位に当時のサウンドを踏襲しています。曲が進むたびにデスモンド・チャイルドやジム・バランスといった腕利きのコンポーザーやブルース・フェアバーン、マイケル・ワグナーなどの大物プロデューサーが浮かんくるということは、やはりそれだけ良い曲を書いているということの表れではあるが、この曲のこの部分はあのバンドのあの曲の一部分といった突っ込みは大いにされるでしょう。しかし現在のロックシーンに彼等のようなバンドが殆どいないこと、欧州の現在のロックシーンの活況ぶりなどから、“こんなの80年代バンドのパクリじゃないか”と冷ややかにあしらわれるのではなく、よりオープンに幅広いロックファンに受け入れられているように思います。
中でも際立つのはデスモンド・チャイルド節全開の(1)In My Dreamsで、冒頭に強烈なサビの“Come on Comen on Come on!”を配置し、Aメロ、Bメロ、サビと徐々に盛り上がっていくメロディーラインが素晴らしくあまりにいい曲なので聴きながら笑ってしまった程です。いわゆる“この1曲のためにこのアルバムを買う価値がある”曲です。(7)No More Living On Liesや(15)Hard To Be A Rock 'N' Rollerも同様に北欧のバンドらしく叙情味溢れるメロディーが素晴らしく最初から最後までテンションが下がらない各楽曲のクオリティーは見事です。
バンドイメージや過去の経歴と言った部分はあえて触れません。心を真っさらにしてまずはこの素晴らしいアルバムを体験して欲しいので。純粋にいい曲が聴きたい方はぜひ聴いて欲しいアルバムです。

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2006年09月06日

AFI [Decemberunderground]

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AFI
Interscope 2006-06-06

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バンドにとって初めてのメジャー移籍後のアルバムとなった前作[Sing The Sorrow]は結果的に100万枚のセールスをあげ、バンドに過去最高の結果をもたらしました。バンドのコアなファンを満足させつつ一皮剥けた力強さやポップセンスを見せつけ、多くの新しいファンを獲得することに成功したアルバムでした。
約2年ぶりに発表になった本作ではその延長路線上にありながらも、楽曲に持ち込んだメロディーやアレンジはさらなる広がりを見せ、曲によってはAFIらしからぬ、と形容出来るほど多様な楽曲を提示してくれました。
パンク、ハードコア、ゴス、エモなどをAFIなりにごちゃ混ぜにしたスタイルは特徴的なDaveyのヴォーカルという1本の紐で結び付けられているものの、その枝葉はあらゆる方向に伸びそのクオリティーはポップシーンでも十分に通用するものだと感じました。
(6)Love Like Winterは特に印象的な曲で、3分弱の短い時間の中で今までのAFIには無かった清々しさのようなポジティブな雰囲気があり、曲を聴き終わる頃にはサビが頭から離れなくなります。もちろん(2)Kill Caustic(4)Summer Shudder(7)AfflictionなどAFIらしい曲もあり、アルバムを通しての印象はバラエティーに富んだ内容ながらそのどれもが高い水準を保っている、といったところでしょうか。
今回のDaveyのヴォーカルパフォーマンスですが、私個人の印象では前作までのDaveyは所々で若干力強さに欠けるというか、安定感に欠けると思えるものもありましたが、本作ではそうした部分はほぼ皆無で主に中低音域でのヴォーカルに安定感が増しました。演奏陣もとてもタイトで以前のやや軽い印象はまったくありません。

ダークな雰囲気、張り裂けそうになるメロディー、攻撃的なスクリーム等はMY CHEMICAL ROMANCEが好きな人やスクリーモ好きには強くアピールする作品ですし、本作はより幅広いロックファンにも訴える魅力も備えていると思います。

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posted by replicant at 23:21| Comment(4) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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