2011年08月26日

AMARANTHE [AMARANTHE]

アマランスアマランス
アマランス

ユニバーサル インターナショナル 2011-06-08
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スウェーデン出身のVo3人を含む6人組の新人によるデビュー盤。やっと出た国内盤です。
2011年出のメタル系新人では断トツのクオリティで間違いなくブライテストホープといったところでしょうか。新人なのに何かこう完成度が高すぎて、すべてが行き届いていて、曲のクオリティ、アルバム全体の完成度が尋常じゃありません。聴いていてこんな気分になったのはLINKIN PARKを初めて聴いた時以来ですね。といっても完全な新人さんではないんですけどね。。ギターのオロフはDRAGONLANDでも活動しており、来日もしています。彼を中心に作られた楽曲に3者3様のボーカルがお互いを邪魔することなく曲に溶け込んでいるアレンジは本当に奇跡的なスマートさなんです。そのオロフ、インタビューでこんな事を言っています。「コンポーザーとして完璧なコード進行を書こうとしている」「AMARANTHEではヴォーカルが最も重要な部分」。なるほど、メタルではヴォーカルから主役の座を奪いがちなギターリフやソロよりも楽曲本位の作曲を心がけているという事なんですね。だからまずキャッチーなヴォーカルのメロディラインに耳が奪われ、2度、3度聴くときにはテクニカルで流麗なギターソロやヴォーカルアレンジの妙に感心するというリピート地獄に落ちて行くという訳です。北欧スウェーデンといえば、IN FLAMES先輩がいて、北欧メロディック・デスメタルはその進化の過程でRAINTIMEやDEAD BY APRIL等を産み落としています。IN FLAMESが[Reroute To Remain]で示した方向性やSOiLWORK[Nachural Born Chaos]を極端にデフォルメした進化系のバンド達です。お隣フィンランドにはNIGHTWISH姉さんがいる。こういった現地のレジェンド達やその系譜を継ぐバンドの延長線上にバンドの青写真を描き、自らの楽曲制作のヒントにしたのは間違いないのではないか。言葉は悪いけどコピーやインスパイア系バンドがオリジネイターを超える場面を我々はこれまでもロックシーンの中で目撃してきた訳ですが、この産業メタルとも言うべき洗練された音楽の持つ圧倒的な魅力の前では取るに足らないことととして受け流せてしまうのです。このアルバムを聴いていると“ただやりたい音楽をやっている”以上のしたたかな計算とそれを具現化するための明確なビジョンを基に制作された背景が透けて見えてくるような緻密なエネルギーを感じ取ることが出来ます。
耳触りとしてはゴリゴリのギターサウンドとそれを中和するサンプリング音による煌びやかな音色が特徴的でヴォーカルメロディもメタル的なクサメロではなく広くポップミュージックを聴く人の耳にも訴求するものです。3ヴォーカルのうち1人アンディは完全にデス声でのスクリームのみしか発しませんが、迫力はあるけどなんだかとてもサラっとしていて良いアクセントになっています。そしてなんといってもエリースの伸びやかなで親しみやすいヴォーカルが聴いていてとても心地よく、北欧のバンドだなぁと実感できる透明感を助長する輝きを放っています。圧倒的な曲のクオリティ、クリアで全てがあるべき所に収まったサウンド、3声混合ヴォーカルのシンクロ率の高さとそのメロディの美しさ…こういう出会いがあるからロックやメタルを聴くことは止められないのだと心底思います。一人でも多くの方にこうした経験をして欲しいので本作はすべてのメタルファン、ロックファンにもお薦めします。また、このアルバムがきっかけでメタルを聴くようになったという人が大勢いてくれればと心から思います。

 なお、オロフを始め、メンバーの多くはこのAMARANTHE以外にもバンド活動をしているそうなので、活動サイクルがどうなるかわかりませんが、ぜひコンスタントに活動を続けて欲しいものです。
posted by replicant at 21:40| Comment(8) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年08月08日

BLOWSIGHT [Dystopia Lane]

ディストピア・レーン
ディストピア・レーンブロウサイト

Spiritual Beast 2011-02-16
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スウェーデンの若手バンドの本邦デビュー盤。通算2作目。
この作品に関して私の身のまわりで起きたエピソード。ある日ロックにさして興味のない義弟がウチに遊びに来た時たまたま私のステレオからこのアルバムが流れていた。すると義弟は分厚くポップなサビのコーラスと適度に激しいギターサウンドに即座に反応したのです。数日後、彼はCDを購入し、気にいっているとのことでした。

昨今の細分化された音楽シーンで生き残るためにとりわけ重要なのはやはり“判りやすさ”。ロックアイコンと言われるスター達は皆瞬時に人を引き付けるキャッチ−さを持ち合わせていたのです。そんな先輩たちに肩を並べるとは言わないまでも一瞬でそのサウンドからバンドの全体像が伝わってくるような明快さを備えている、それだけでもこのBLOWSIGHTは大きなアドバンテージを持っていると言えるでしょう。

 でも上に書いたことと相反するようだけど、言葉でこのバンドのサウンドを説明しようとするとこれがまた難しいのです。10年前のポップパンクバンドのようでもあるし、エモ・スクリーモの影響もある。音作りはメタリック。とんでもなくシンプルな曲もあればオーケストレーションを導入した凝ったアレンジの複雑な曲(テクニカルという意味ではありません)も出てくる。アルバムに当世代のポップアイコンの代表曲のカバー(9)Poker Faceを入れるあたりもポップパンク勢を彷彿とさせる。とにかく1曲聴いてほしいのですがこのメロディの鮮度・爽快感はタダ者ではない感じなのです。耳に残るメロディを作る能力は冒頭に書いたように一般リスナーにも訴求力があるほどのクオリティなので、この記事を読んでいるあなたがパンクに興味がなくても、スクリーモって何?だとしても、とにかく一度彼らのサウンドに触れて欲しい。どれか1曲と言われれば間違いなく1曲目のI Wish You 666を薦めますが、出だし4曲はどれも遜色ないくらいの出来なのでぜひ聴いて頂きたい。(1)同様(4)Wake Up Deadや(8)Blue Hair(11)Standby Buttonはとても爽快で、かと思えば(5)Things Will Never Change(9)Days Of Rainはしっとり感動的なバラード。どの曲にも共通してるのはこのバンドはロックだけが彼らの影響源ではないということ。その辺は(12)Compassion For A Dream(14)Dystopiaに顕著に出ています。懸念すべきはポップファンからヘヴィー過ぎると言われ、メタルファンからヤワだと中指を立てられることでしょうか。確かにIN FLAMESのファンは見向きもしないかもしれないし、LADY GAGAを聴く人にはパワフル過ぎてボリュームを下げられてしまう可能性はある。だけどしっかりプロモーションされればかなりいい所まで行けそうなポテンシャルであることに疑いの余地はないでしょう。(いっそヨーロッパは捨ててアメリカオンリーで勝負すれば?なんて思ってしまいます)

何度もこのBLOWSIGHTアルバムを聴いた結論としては、とてもよい出来だが、同時にこれが最高到達点ではないことも感じさせる、今後の伸びしろを感じさせるアルバムだと思います。もっと上手くなるし、もっと長所をデフォルメ出来るし、もっと冒険出来る。それを達成したときには“BLOWSIGHTみたいな〜”と形容されるようなバンドになっているんじゃないでしょうか。

良い新人が認められ、来日公演が行われるくらいの売り上げを記録する。そのライブでまたファンを増やし次回作を期待させる。こうしたサイクルに乗ってバンドは成長する。新たな野心も生まれる。
ぜひその軌道に乗ってバンドを続けてほしい。このバンドが起こすロックの化学反応はより興味深いものへと発展していくはずだから。
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2010年09月09日

STORY OF THE YEAR [The Constant]

コンスタントコンスタント
ストーリー・オブ・ザ・イヤー

SMJ 2010-02-10
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才能あるバンドSTORY OF THE YEAR。
前作「BLACK SWAN]は良い曲もあったが迷いが曲作りにそのまま反映されていたような気がしてなりません。大傑作であった[In The Wake Of Determination]が商業的にそれほど成功しなかったこと、レコードレーベル移籍、成功した[Page Avenue]の亡霊、ライブ受けする曲とシングルヒット曲の矛盾…そういった
葛藤が1枚のアルバムとしてのまとまりをなくし、私自身アルバム1枚を通して聴いた回数は彼らのアルバムのなかで一番少ない。。Epitaph Rechordsに移籍して2枚目、通算4作目になる本作[The Constant]は私にとって恐る恐る買ったアルバムです。恐る恐るとはつまり、彼らの成長、新鮮さ、伸びしろ、を感じることが出来るだろうか、1stや2ndアルバムのように何度も聴きたいと思わせてくれるだろうか?と。
結論。今回はとても良い。
ヘヴィな要素はそのままキープ、メロディアスな歌メロやギターワークは前作[BLACK SWAN]とは比較にならない充実ぶりです。ダン・マーサラのヴォーカルはいわゆるスクリームを極端に減らし、フィリップ・スニードのサイドヴォーカルとともに楽曲の上を躍動的に跳び回っている。
2曲目[The Ghost Of You And I]、10曲目[Time Goes On]、7曲目[Holding On To You]は1stに入っていてもおかしくないくらいポップなメロディが印象的、11曲目[Eye For An Eye]は2ndで確立したメタル要素が顔を出す(私はこの攻撃的なSTORY OF THE YEARが好きだ)。
唯一注文を付けさせてもらうとすると、やはりサウンド。インディーレーベルだから良いサウンドエンジニアを雇えなかったのでしょうか?いずれにしてもライブで真価を発揮するバンドの作品としてライブのドライブ感を再現したいのか、曲が一番輝く形のサウンドアレンジメントが出来ているのかについては疑問が残ります。
今やスクリーモなんて言われていたバンド群で生き残っているのは数えるほど。これからもタフでメロディアスな彼らのアンセムを期待したい。
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2008年03月01日

AVENGED SEVENFOLD [AVENGED SEVENFOLD]

B000VI6Z5Aアヴェンジド・セヴンフォールド
アヴェンジド・セヴンフォールド
WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M) 2007-11-07

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メジャー移籍第2弾となる本作は今まで1枚たりとも同じような作品をリリースしていないAVENGED SEVENFOLDの作品の中でも最も飛躍した内容となっています。これまでの彼らの作品は1曲の中に4,5曲分の要素が詰まったような複雑さをヴォーカルを中心としたメロディーの濃さ、わかりやすさでコーティングしてアメリカのバンドとは思えない仰々しさを前面に押し出し、メタルコア景気で賑わっていたアメリカ市場でも特筆すべき個性とライブパフォーマンスが評価され、一躍メタルシーンの未来を担う存在と言われるまでに成長してきました。
前々作[Waking a Fallen]制作時からスクリームすることに多少違和感があったという彼らはオーセンティックなメタルにアメリカのバンドらしいドライブ感とGUN'S N' ROSESに代表されるダーティーなロックを融合したスタイルで[City Of Evil]を発表し瞬く間にメタルファンの心を捉えました。
こういったメタルバンドのアルバムが100万枚売れたこと自体、今の音楽シーンの流通事情を考えれば異例のことですが、内容的に一定方向でのあらゆる可能性を追求し尽くした感のある[City Of Evil]だけに個人的には新作がどういった方向性になるのか非常に期待していました。

新作を聴いた瞬間私は確信しました。アメリカから久しく出てこなかった規格外のバンドである、と。
メタル専門誌BURRN!でも軒並み高評価を得たようにすでに本作が“成功したアルバム”であることは周知の事実です。曲のクオリティーはどれも高く、一切の無駄が無く、どの曲も早送りできない完璧な配置でラストまで一気に駆け抜けるジェットコースターアルバム。聞き手を程よい疲労感とどうしようもない飢餓感に落としいれ、もう1度と思わずにはいられない間違いようのない傑作。粗製乱造されるレコード会社の駒になることを強烈に非難しているようにも聴こえる強烈な求心力に満ちたサウンドです。密度200%だった前作と比べると音に隙間を作ることでタメができ、強烈なグルーヴを生み出し、楽曲により即効性のある殺傷能力を植えつけています。これは予定調和の過剰摂取でファンの耳を腐らせないという意味で非常に優秀で野心に満ち溢れたバランス感覚と言えると思います。それを象徴するのが(1)Critical Acclaim(2)Almost Easy(3)Screamの3曲ですが、BLACK LABEL SOCIETYのような南部テイストで始まり叙情的なサビが繰り返される(5)Gunslinger、彼らお得意の典型的なメロディック・スピード・メタルかと思いきやサビは80年代のBON JOVIのようにポップでしかもDAFT PUNKのようなヴォーカル・エフェクトが気持ちいい(8)Lost、奇妙奇天烈な彼らの頭の中を覗き込んだかのような錯覚を覚える意欲作(9)A Little Piece Of Heaven、(1)〜(9)までの横揺れ、縦揺れで乱れた髪に乾いたそよ風を運んでくるような(10)Dear God、特に(10)はカントリーソングで我々日本人がもっとも受け入れがたい音楽ジャンルの一つだが、私はとても気に入りました。BON JOVIのニューアルバムは自らのフィールドにカントリーのエッセンスを取り入れて中途半端な印象しか残さなかったのに対し、AVENGED SEVENFOLDは完全にカントリーのフィールドに自らを放り込んでいる思い切りの良さ、若さが感じられる。両者のとったスタンスの違いは微妙な違いですが私の曲に対する印象は相当な差があります。
本作に対してひとつ不安があるとすればコアなメタルファンは彼らの軸足をメタルに置きながらも放射状に広がった新作の音楽性をどこまで受け入れられるのか、ということです。
(8)Lostにヤワなアレンジだと中指を突き立てるだろうか?(9)A Little Piece Of Heavenを悪ふざけが過ぎると眉間にしわを寄せるだろうか?(10)Dear Godをボーナストラック扱いできるだろうか?大成功して欲しいアルバムだけに余計な心配もしてしまいます。
“立ち止まらない”ことを公言しているバンドだけに本作も“今”の彼らのスナップショットであり、それがたまたまメタルの未来を変えるかもしれないベストショットだったということ。次作はもしかしたら我々にはボヤけて映る作品を作るかも知れません。しかし近年メタル界にこれほど“進化”という言葉を意識させるバンドがいたでしょうか?昨今のIRON MAIDEN回帰、METALLICA回帰で純度を増してきたシーンの中で突出した存在感を放ち始めているAVENGED SEVENFOLD。彼らには今しばらくシーンの先頭を突っ走ってもらいたいのです。シーンの異端児ではなく。

そして本作を語る上ではずせない重要な要素を担っているのがレヴ(Dr)のヴォーカルです。以前からライヴでは歌っている姿は確認できたものの、本作で初めてレコーディングから歌入れに参加し、とても重要なパート、印象に残るパートを素晴らしい声で歌い上げています。特に(1)Critical Acclaim(9)A Little Piece Of Heavenでの貢献は計り知れません。もしかしたら次回作ではレヴが1曲丸々歌いきる楽曲が登場するかもしれませんね。そうすればライブでM.シャドウズ(Vo)が休めるから90分以上のライブが見られるかも!

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2008年02月11日

NIGHTWISH [Dark Passion Play]

B000TLYEEIダーク・パッション・プレイ~リミテッド・エディション
ナイトウィッシュ
ユニバーサル インターナショナル 2007-09-26

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看板ヴォーカリスト、ターヤへの衝撃の解雇通告で思ったのは、おそらくこのバンドのピークは前作[Once]であり、いくら作曲のイニシアティブをもっているツォーマス・ポロパイネンkey)がいて、この先どんな作品が発表されてもおそらく前作の亡霊はこのバンドに永遠に憑いてくるのだろうということです。バンドのクリエイティビティーとターヤの個性がかつてない程に高次元で融合した前作は明らかにこのバンドの一つの完成型であると同時に、EVANESCENCEによって耕された土壌(EVANESCENCEを気に入り同じようなサウンドを求めた新しいファンとNIGHTWISHは知っていたがEVANESCENCEによって女性ヴォーカルものに抵抗をなくしNIGHTWISHを再評価したファン)でも当然のように高く評価され、このジャンルのひとつの指標となりました。セールス的にもバンドのそれまでの記録を上回る成果を上げています。
ターヤ解雇はすでに起こってしまった事であり、各メディアでもその経緯が語られているのでその辺は割愛しますが、残念に思う気持ちを拭い去り、新生NIGHTWISHに期待したい気持ちはあるにはありましたが、ターヤのそっくりさんを加入させるつもりはないんだとある程度わかっていたせいか、どんなサウンドになるか期待と不安が入り交じった焦燥感でジリジリしながら待っていた中で本作が登場しました。
注目が集まるなか新加入したのはスウェーデン出身のアネット・オルセンで、声質の第1印象はターヤとWITHIN TEMPTATIONのシャロン・デン・アデルの中間くらい(ターヤの驚異的な荘厳さやシャロンの繊細な歌唱力はありません)、オペラティックな歌唱はなく、よりポップで大衆的な響きを声自体が内包しているといったもので、言うなれば、ターヤの歌唱のスキルを全てではないにしろ再現出来る能力を持ちながら、より耳に心地よい親しみやすさが彼女の武器であるといったところでしょうか。

NIGHTWISHのアルバムとしてはおそらくかなりヘヴィーに仕上がっている本作はギターが前面に出て来て、より豪奢になったオーケストラやクワイヤは前作にも増して非の打ち所がなく、それにターヤ解雇でツォーマス達が味わった心情を吐き出すかのような歌詞とその感情を聴き手に増長させるマルコ・ヒエタラ(b)の歌(今回の彼は歌うパートが増えてその歌唱は本当に素晴らしい。特に(10)The Islander!!)がヘヴィーという印象を決定づける要素となっていて、アネットのヴォーカルのような中和剤がなかったら相当ダークなイメージになっただろうなと思います。その中で光る(6)Evaや(3)Amaranthといった艶やかなポップ感を伴った楽曲はターヤという翼をもがれてもなお墜落することなく転生したこのバンドの力強い生命力を感じさせ本作の輝きの象徴となっています。
(1)The Poet and The Pendulum(5)Master Passion Greed(12)7 Days to The Wolves等などを聴いてターヤの不在を嘆くファンはいるだろうか?少なくとも私は全く否定的な意見すら浮かんでこない。それくらいこのアルバムと新加入のアネットに満足しています。
プロモーターの会場のチョイスに愕然として行く気が失せた今年初頭の来日公演もかなり好評のようだったので次回はせめてZEPP東京くらいを使わせて彼らのフルパフォーマンスに近いライブを見せて欲しいものです。

(2)Bye Bye Beautiful(3)AmaranthのPVが観られます。
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2008年01月12日

Madina Lake [From Them, Through Us, To You]

B000OZ2H0Mフロム・ゼム、スルー・アス、トゥ・ユー(スペシャル・プライス)
マディーナ・レイク
ロードランナー・ジャパン 2007-05-23

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ルックスの良いレオン兄弟が中心に結成されたわかりやすいスクリーモサウンドを鳴らす期待の新人の1stアルバム。新人のアルバムにも関わらず、JIMMY EAT WORLDやBLINK182等を手がけたマーク・トロンビーノがプロデュースを手掛けている事でもこのバンド、このアルバムへの周囲の期待度がうかがい知れます。出音はそのJIMMY EAT WORLDとLOSTPROPHETSを足したような、荒々しさよりもどちらかというと洗練されたもので、LOSTPROPHETSのイアン・アトキンスにそっくりな声質を持つネイサン・レオンのヴォーカルが中心に据えられた楽曲は1曲の中に必ず覚えやすいサビがあり、時折挟まれるループのカラフルな味付けやプロデューサーの手腕による緻密で整理整頓されたサウンドが心地よくかみあっています。
この手のサウンドに属するバンド達はシーンから埋没すること恐れるあまり背伸びしてつまらない結果になってしまうケースが急増していますが、LOSTPROPHETSと同じ方法論によってエモの繊細さと骨太なハードロックを上手くかみ合わせて、押し引きの巧みな楽曲に仕上げています。
例えば(2)Here I Stand(7)Pandoraは力強くエッジーでLOSTPROPHETSあたりを手本にしたようなメロディアスでありながらドライブ感のあるイメージを上手く捉えていて、(8)StarsではまるでLOSTPROPHETSの名曲Rooftopのように若者の胸中を鷲掴みにするような憂いと一気に爆発しシンガロングせずにはいられないコーラスが印象的な楽曲、と起伏を生み出す全体のバランスがとても優れたアルバムに仕上がっています。ヴォーカルの声質、プログラミングの多用、音楽的方向性の全てがLOSTPROPHETSとかぶっているので彼らのファンはこのMadina Lakeも歓迎できるでしょう。
サウンド的には時流に乗った感がとても強い印象なので彼らのようなバンドがこの先も生き残って行くには今ある才能+運やシーンの流れを読むしたたかな洞察力が必要になるでしょうが、ある意味普遍的なメロディーの魅力を持ったバンドなので質さえ維持すればこれからも楽しみなバンドとなるかも知れません。
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2007年09月30日

Amorphis [Silent Waters]

B000TGQDZ6Silent Waters
Amorphis
Nuclear Blast 2007-09-18

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“今現在の自分の知恵や経験を持ったまま若い頃に戻れたらどんなに良いだろうか”人は皆1度はそんな事を考えたことがあるのではないでしょうか?Amorphisはどうやら自らの音楽でその夢を実現してしまったかのようだ。
前作[Eclipse]は私にとって文句なしの傑作でした。Amorphisの過去の絶頂期のフィーリングを取り戻し(主に3rd[Elegy]が引き合いに出された)、SENTENCEDの遺伝子が埋め込まれたようなヘヴィネスと悲哀の結晶のような楽曲に、新加入のヴォーカル、トミ・ヨーツセンの地鳴りのような咆哮とエモーショナルなクリーンヴォイスという素材が大きな求心力となってSENTENCEDの終焉で大きな虚無感に満たされていた私の心に手を差し伸べられたような錯覚を覚えたアルバムでした。通算8作目にあたる[Silent Waters]はその傑作[Eclipse]と双子のようなアルバムで、今回の楽曲も新たな絶頂期であることを確信させるクオリティーを誇っています。
まさに復活作となった[Eclipse]は[Elegy]や[Tales From The Thousand Lakes]でAmorphisに狂喜したファンはもちろんのこと、彼らを知らなかった新しいメタルファンからも大いに注目を集め、バンドをシーンの第一線に押し戻す成功を収めました。傑作というのは、何回も繰り返し繰り返し聴かれ、人それぞれが思い入れと愛情を持っているため、その次の作品というのはどんなに良いアルバムであってもその内容を正当に評価することが難しいものです。
しかし本作は内容的にもサウンド的にも前作を引き継いでいるものになっており、楽曲のクオリティーも前作に負けないものだと感じました。微妙な変化と言えるのは前作はアルバム[Elegy]と比べられるべき内容でしたが、本作が持つアグレッションはどちらかというと[Tales From The Thousand Lakes]のそれであるということです。そこに[Tuonela][Am Universum]等を経た経験値が絶妙にミックスされ過去の焼き直しではないAmorphisの“いま”を伝えるサウンドになっているのだと思います。
トミ・ヨーツセンの才能は本作でさらにバンドの長所となって大きく成長しており、定評のあったデス・グロウル系ヴォーカルと感情豊かなメロディーヴォーカルのメリハリは巧みさを増して、特に悲哀に満ちたメロディーヴォーカルでの表現力はより安定感と繊細さを増しました。(3)Silent Waters(5)I Of Crimson Blood(10)Black River等はそうした特徴がよく出た楽曲でポップな質感すら感じるメロディーの柔らかさと憂いに満ちた感情がトミのヴォーカルに乗って聴き手に伝わってきます。しかし本作で聴き手を最も熱くさせるのは(2)A Servant(4)Towards And Againstのようなヘヴィーチューンでしょう。前作で得た経験値を土台に、より攻撃的な躍動感に満ちた楽曲は前作にはなかったものです。現在の自分たちの個性に磨きをかけながら過去のキャリアのエッセンスを注入する余裕と冷静さが光る作風はバンド史上最高傑作である[Eclipse]に確かな成長の跡を上積みした結果であり、新たに始まった彼らの絶頂期を確かなものとする安定感を感じさせます。
音楽シーン全体で見ればまだまだアンダーグラウンドな存在の彼らに本作で初めて出会った方はぜひ前作[Eclipse]も聴いていただきたい。

試聴する((1)Weaving The Incantation(6)Her Alone(8)Shamanと(3)Silent WatersのPVが観られます。)
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2007年09月15日

MEGADETH [United Abominations]

B000OCXFCOUnited Abominations
Megadeth
Roadrunner 2007-05-15

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MEGADETHの前作[System Has Failed]は復活MEGADETHのアルバムとしてとてもいいアルバムでした。しかしデイヴ・ムステインが認める通りMEGADETHの活動停止後ソロアルバムの為に書いたアイデアや楽曲が多かった事、ムステイン以外セッション・ミュージシャンだった事(MEGADETHファミリーの一人、クリス・ポーランドがゲスト参加)が影響したのか、活動停止前の迷走期2作[Risk][The World Needs A Hero]に入ってもおかしくないような曲調もありましたが、曲そのものの出来は[Risk]とは比べものにならないくらい高く、私の印象では[Criptic Writings]と80年代のMEGADETHの要素を足したような印象でした。
新しいMEGADETHが予想以上にうまくいっていると公言していたムステインは今のバンドによる作品を形にするべく、明らかに[System Has Failed]よりよ良いアルバムが出来るとやる気を見せていたように思います。そうして出来上がった本作はムステインの自信に満ちた不敵な笑みが浮かんでくるようなClassic MEGADETHと、どんどん上達する歌唱を生かしたメロディーラインが絶妙な仕上がりとなりました。[System Has Failed]に比べれば明らかにヘヴィでムステインのヴォーカルも80年代の彼にあったトゲが(歌詞も含めて)復活しているように思います。MEGADETHの楽曲に不可欠だといえるキレが戻ったことも本作を際だたせている要因でしょう。パーソナリティーの強烈さでは、ニック・メンツァやマーティー・フリードマンがいた時代に及びませんが、ドローヴァー兄弟と元WHITE LIONのジェイムズ・ロメンゾを加えた現在の布陣はMEGADETHの音楽を体現し、ムステインが気持ちよく活動する上でとても良い関係を築いている事が音からも伝わってきます。

最初のシングルにまで登り詰めた(8)A Tout Le Monde (Set Me Free)は[YOUTHANASIA]収録のファンにはお馴染みの曲ですが、LACUNA COILのクリスティーナ・スカビアとのデュエットが実現した今回のヴァージョンは以前に馴染んだものよりも良い出来であるという事は特筆に値するでしょう。私はこういうケースでオリジナルを上回るヴァージョンというのはなかなか経験したことがないので(WHITESNAKEのCrying in the RainとHere I Go Againくらいだ)、リメイクは大成功だと思います。他にも新たなアンセムの誕生と言える(2)Washington Is Next!ムステインとグレンのギターの掛け合いで二人の個性が浮き上がる(7)Play For Blood、[So Far So Good...So What]や[Rust In Peace]に入っていてもおかしくない(1)Sleepwalkerなど我々が好きだと思うMEGADETHサウンドが詰まっています。新機軸はないけれどこのジャンルのオリジネイターの一角としていまだ衰えない威厳を取り戻した充実作と言えるでしょう。

スカビア嬢とのデュエットPVが見られます。
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2007年08月30日

NOCTURNAL RITES [The 8Th Sin]

B000PHWD9OThe 8th Sin
Nocturnal Rites
Century Media 2007-05-28

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このアルバムは売れなければならない。

少々大げさな言い方ですが、なぜならバンドの演奏力・歌唱力、楽曲のクオリティー、サウンド、そのどれもがこのバンドの過去を凌駕しているだけでなく、近年のメタル景気に沸く欧州産ヘヴィメタルバンドの作品としても“その他大勢”を蹴散らしてしまう素晴らしい内容になっているからです。
NOCTURNAL RITESはメロディック・パワーメタルだと言って良いと思いますが、このバンドの長所はHELLOWEENやSONATA ARCTICAのファンは当然楽しめ、FAIR WARNINGのファンも楽しめるというところです。GOTTHARDのスティーブ・リーとFAIR WARNINGのトミー・ハートを想起させるジョニー・リンドクヴィストの熱い歌声の長所を十分に意識した曲作りの上手さにはさらに磨きがかかり、北欧のロックバンドが得意とするメロディーのドラマティックさ、ポップ感、哀愁美をリンドクヴィストの聴き手を射抜く声で自在に表現し、そこに伝統とモダンさを上手くミックスしたギターワークとキーボードによる味付けで仕上げた楽曲は過去のどのアルバムをも上回る出来映えです。
またリンドクヴィストと2枚看板とも言えるニルス・ノーベリの流麗でテクニカルなギターソロの数々が今回特に充実しており、組立のしっかりした美しく流れるようなソロがいずれの曲でも輝き、中でも(1)Call Out To The Worldは楽曲の良さに呼応するような見事なソロを披露しています。
このアルバムの頭4曲、とりわけ冒頭2曲の出来は緊張感漂うメロディーの質やわかりやすさ、ギターソロなど非常に強い印象を残すキラーチューンで今後の彼らの代表曲へと育っていくべき楽曲です。また(9)Meもこれまでの彼らからすると異色の曲ではありますがリンドクヴィストのもの悲しくも熱を帯びた絶品のヴォーカルと柔軟な作曲センスで将来の伸びしろを感じさせつつアルバムの良いアクセントになっています。
現在のロックシーンでは上手いヴォーカリストと上手いギタリストという両輪の華が存在するバンドであるということ自体とても希少価値のある存在といえると思いますが、NOCTURNAL RITESはその二つの個性を十二分に生かしたヘヴィメタルをやっているという点でシーンを一歩リードする存在と言えそうです。
まだ十分な評価がされていないバンドの一つなので、未聴の方はぜひこのアルバムでNOCTURNAL RITESの存在を知ってください。

新作からは(2)Never Againの試聴とビデオが見られます。
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2007年08月29日

DARK TRANQUILLITY [Fiction]

B000OLG5DQFiction
Dark Tranquillity
Century Media 2007-04-23

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メロディック・デスメタルはメタル・ミュージックの中心ではないが昨今のメタルがメタルらしさを取り戻す上で大きな推進力となったといえます。その中心的な役割を果たしたのがIN FLAMESやARCH ENEMYといったバンドで、その陰に隠れながらも現在のメタルシーンに大きく貢献したDARK TRANQUILLITYの通算8枚目のアルバムです。今もっとも脂ののりきったバンドの作品だけにそのクオリティーは高く個々の楽曲の水準も総じて高くブレを感じさせません。サウンドもさらに向上し主役となる楽器(ヴォーカル含む)にスポットを当てるミキシングがさらにメロディーを強調する印象を強めています。前作を気に入った方なら必ず本作も気に入る事は間違いないでしょう。
前にも述べたかもしれませんが、私はミカエル・スタンネというヴォーカリストの持つ個性・カリスマ性を気に入っており、今回もかれから放たれる孤高の叫びと充実のギターワークに支えられた楽曲が満載の内容となっています。楽曲の求心力をサウンド面から今回さらに大きく貢献しているのがマーティン・ブランドストローム(Key)のキーボードです。SOiLWORKやSCAR SYMMETRY等今では多くのバンドがデスメタルにキーボードサウンドを取り入れていますが、サウンドの隙間を埋めるだけになっていて何らメロディーやアレンジ面で貢献することが出来ない“その他大勢”と違うのはセンスの良さとメロディーメイカーとしての才能が深化した結果と言えるのではないでしょうか。いじり過ぎず簡単にやることで轟音の中でも耳を惹きつけながら、ヴォーカルでやってしまったらメロウになりすぎてしまうであろう印象的なメロディーをドライなサウンドで代弁しています。
DARK TRANQUILLITYにはこれまで、とてもヘヴィなアルバム、メロウなアルバムなど、それぞれの時代に異なる印象を与え一時期多くのファンが離れた時期がありましたが、[Damage Done][Character]では自らの立ち位置を明確にしてアグレッションを取り戻し、そして本作[Fiction]では今までの彼らの集大成とも言える多様性に富んだ内容をファンに拒否反応を与える事なく自然にやってしまう術に長けたバンドへと成長したと感じました。久々のクリーンヴォイスを使った(8)Misery's Crownや女性ヴォーカルを導入した(10)The Mundane And The Magicなどが本作の中に上手く溶け込み、本作の重要な曲になっているのが何より成熟の証と言えるのではないでしょうか。

(3)Terminus (Where Death Is Most Alive)(9)Foucus Shiftが聴けます。

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2007年08月20日

再開します。

ここ2ヶ月ほど公私ともに忙しく毎日のあれやこれに忙殺されていて音楽に触れてはいてもまともに文章に出来る状態では無かったためお休みを頂いておりました。そんな状況にもかかわらずここを訪れていただいた方達には残念な思いをさせてしまったかもしれません。ここでお詫びとお礼を言っておきたいと思います。

私もこの中断の間、音楽を聴いていなかったわけではないのですが、皆さんは春から続く新作ラッシュをどう乗り切ったのでしょうか?これからしばらくは私が迷った末に買ったCDの中から良いと思った作品の紹介が続きます。皆さんが買うか迷っているものがあれば参考にしていただいて、買ったCDがあればご自身の意見とどう違うかなどを楽しんでいただければと思います。
では、早速最初の1枚はこれ。

B000MTFEVOぶっ生き返す
マキシマム ザ ホルモン マキシマムザ亮君
バップ 2007-03-14

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英語圏ではない日本国内の音楽シーンは適度に洋楽の影響を受けつつも、日本独自のJポップ(要するに芸能界)シーンという大きなマーケットがあるためかロックの世界でもその殆どがJポップシーンを念頭に置いたバンドが殆どで、そうした理由から海外でそのまま通用するバンドというのは極めて限られたバンドと言うことができるでしょう。洋楽としてのロックがちゃんと根付いているのに海外マーケットに挑戦するバンドは全くそれに比例していないという残念な状況が続いています。しかしここに紹介するマキシマム ザ ホルモンはそのJポップシーンと海外マーケットの両方を行き来出来そうな希有なバンドの一つでしょう。

攻撃的なヘヴィロックと前のめりなパンクの荒々しさに男性×2、女性×1の3声ヴォーカルが絡み、スクリームからポップなメロディーヴォーカルまで様々な声を駆使してコアなサウンドでありながら極端なまでにキャッチーな楽曲が彼らの持ち味です。洋楽ロックを中心に聴いている私には所々SYSTEM OF A DOWN的だなと思わせるところがあり、ヘヴィなギターとポップなメロディーの組み合わせという意味では初期THE WILDHEARTSを思い出したりもします。作品を重ねる毎に音の塊をぶつけるかのような重量感とその周りを飛び跳ねるかのようなキャッチーさは極端な形でデフォルメされており、その融合が楽曲の印象をタフでありながら超ポップという彼らの個性を完全に確立するに至りました。
その役割が段々大きくなってきたナヲ(Dr)の歌う超ポップな歌メロが普段ロックとは縁遠いリスナーの耳を惹き付け、いつの間にか怒号のようなギターサウンドにも免疫を持たせてしまうような“逃れられない”魅力を放ち始めたといって良いでしょう。邦楽とナメずに多くの人に聴いてほしい作品です。

(2)絶望ビリーは彼らにしてはカッコつけすぎだが、新たなファンを呼び込む強烈なキラーチューンになっている。
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2007年06月27日

THE USED [Lies For The Liars]

B000O76P9Oライズ・フォー・ライアーズ
ザ・ユーズド
ワーナーミュージック・ジャパン 2007-05-23

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前作に伴う活動後、THE USEDはドラマーの交代を経験しバンド内の空気を一新し、これからのバンドの方向性についても色々と悩んだ事でしょう。“スクリーモ”バブルはすでに崩壊しつつあるからです。しかしトレンドの盛衰によって消えてしまうバンドでないことはこのアルバムが証明したといって良いでしょう。もともとこのシーンのバンドの中でも楽曲クオリティー、ライブパフォーマンス、シンガーの歌唱力とカリスマ性といった点で多くのバンドの上に立つ彼らなのでいったんバンドのクリエイティビティーに火が付けば外野の我々が心配する必要なんてなかったのでしょう。
本作に伴うインタヴューを見ると今までの繰り返しはしたくなかった・・・などの発言が目立ちますが、私が思うにTHE USEDの楽曲として新機軸と感じることはありませんでした。どの曲もとてもTHE USEDらしいサウンドとメロディーに満ちていてとても良いアルバムだというのが率直な感想です。バートのスクリームの量が前作にも増して少なくなっていてほんの味付け程度にしか出てこない事に物足りないと思うファンもいるかもしれませんが、そんなことは多くの人にとってはどうでもいいことでしょう。
私には前作[In Love and Death]は幾分内省的すぎると今でも思っていますが、本作に収録された楽曲の多くはダイナミズム、発散されるエネルギー、メロディーの親しみやすさの点でTHE USEDをより多くのリスナーにアピールする出来になっていると思います。
そして本作に(8)Wake The Deadのような曲を発見出来たことを素直に喜びたいと思います。1stアルバムで我々の度肝を抜いたあの激と美の振り幅の激しい楽曲が最高の形で収まっており、ライブ感、グルーヴ感を増した前半部から一変して中間部の美しく瑞々しいパートを挟んでの激しいブレイクパートまでのアレンジはTHE USEDが自分たちを失うことなく成長してきた証しと言えるのではないでしょうか。他にもシアトリカルでダイナミズム溢れる(3)The Bird And The Wormや彼らのポップセンスを濃縮させた(7)With Me Tonight、ファーストアルバム収録の名曲On My Ownに肉薄する美しいバラード(11)Smother Meなど聴き所が多く、毎日聴いていると日替わりで色々な楽曲を好きになるアルバムです。

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2007年06月13日

LINKIN PARK [Minutes To Midnight]

B000O76PR6ミニッツ・トゥ・ミッドナイト
リンキン・パーク
ワーナーミュージック・ジャパン 2007-05-16

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オリジナルフルアルバムとしては[Meteora]以来4年ぶりとなるLINKIN PARKの[Minutes To Midnight]はかねてからの噂通り劇的なスタイルの変化を伴った意欲作となっています。今までの彼らは良い音楽とは何か?を自分たちなりに考える時、作り込みの中で鮮やかなテクスチャーを求める傾向にあり、1曲には膨大な情報量が納められ殆ど隙間がない音楽、といった印象でしたが、同じ事を繰り返したくないという自分自身への新たな可能性という飢餓感に後押しされた結果、サウンド構築する上での“引き算すること”を身につけたLINKIN PARKは雄大に広がる“これから”の大きな可能性と前2作に対する強烈な郷愁感が渦巻く作品となりました。
劇的な変化と言いましたが、それはあくまでサウンドの話。彼らが得意としてきたマイナーキーを主体とした印象深いメロディーの数々は今回も変わらず魅力的です。マイク・シノダのラップヴォーカルの大幅な減少、数曲を除いて殆ど取り除かれたノイジーなギターリフやジョー・ハーンのスクラッチなど、彼らが世に出て来た時ラップメタルなどと呼ばれた要素は減退しハイブリッド感はほとんど感じられません。一方でオーバーダブを少なくし各楽器がどんな演奏をしているのかを明確にして今まで以上にヴォーカルメロディーを表に出した空間的なアレンジはハイブリッド感どころかロックであるという型にすら制限されない開放感に満たされています。
プロデューサーがリック・ルービンということで沢山曲を書くよう即された結果ここまで異なるヴァイヴを持った楽曲が揃ったのだろうと予想出来ますが、本人達が“前作までのスタイルの可能性はもう全てやり尽くした”という通り足枷が外れたかのようにバラエティー豊かな楽曲が揃い、型がはっきりしていたバンドだけに曲によってはあまりの飛躍ぶりにこれがLINKIN PARKのアルバムであると自分に認識させるのが困難なものもありました。ファーストシングルとなった(6)What I've Doneも第一印象は“地味”でしたが、アルバムの中で聴くとまた違った魅力を発散しており、どちらかと言うと金太郎飴的な印象があった今までの彼らの楽曲と比べるとアルバム・オリエンテッドになりそれぞれの曲がそこに収まるべき説得力を持っているように思います。

しかし、気まぐれな音楽シーンの中でも良質の楽曲という意味ではこれまでと変わらず高いクオリティーで存在感を示していますが、果たして前作、前々作を気に入っている1500万人のファンのうちどれだけの人がこの変化に共鳴出来るのかについては疑問が残ります。楽曲の力にかかっていると簡単に言うことは出来ますが、アルバム[Hybrid Theory]に12,3才で出会った人がいるとしたら、彼はまだ20才そこそこの若者なわけで、今回のアルバムの楽曲全てを気に入る聴き手としての懐の深さの有無や前作と全然違うという期待を裏切られた失望感によって本作をあるがままに受け入れられない力が働くということもあるでしょう。まだまだ聴き手の心の中で成長するアルバムだと思うので私の現時点での印象はこんな感じに留めておきます。今の私のお気に入りは(3)Leave Out All The Rest(5)Shadow Of The Day(6)What I've Done(12)The Little Things Give You Awayです。
1年後は本作がどう成長しているかを楽しみにしていたいと思います。


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2007年05月27日

WITHIN TEMPTATION [The Heart Of Everything]

B000NDFIYWザ・ハート・オブ・エヴリシング
ウィズイン・テンプテーション キース・カピュート
ロードランナー・ジャパン 2007-04-11

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名作[The Silent Force]が大きな成功を収めたゴシック・メタルバンドWITHIN TEMPTATIONの通算4作目にあたる[The Heart Of Everything]は曲の良さ、サウンド、そしてこのバンドの要である女性ヴォーカル、シャロン・デン・アデルの歌唱(メロディーの美しさ、表現力の増幅)の全てが前作を上回る出来映えで、正直前作を上回るのは無理なのでは?と個人的に感じていただけに本作の見事な完成度の高さにはただ驚嘆するばかりです。
前作[The Silent Force]は飛躍的に向上した楽曲アレンジと美しいメロディー、シャロンの天使のような透明感ある歌声が素晴らしく、ほぼ全編にわたって導入されているストリングスのアレンジの豪華さも手伝い、メタルでありながらクラシック音楽と同様の優雅さをも表現した、まさにゴシックメタルの新たな最高到達点としてWITHIN TEMPTATIONの隆盛を示したアルバムでした。NIGHTWISHを剛とするならばこのWITHIN TEMPTATIONは柔であり、その特徴は優雅な美しさ、優しさなどある種包容感を感じさせるもので、それを意識してか尖ったギターリフや必要以上のギターソロなどは極力抑えてストリングスアレンジの繊細さとシャロンのシルクのようなヴォーカルを全面に押し出すというスタイルが顕著となりました。

本作はそんな大成功した前作を超えると信じて制作したメンバーの自信と余裕が感じられるような、さらなるクオリティーの向上を追求したことが如実に感じられる成熟度と探求心に溢れています。前作からの変化といえばアルバム全体としてバラエティーに富んでいる事でしょう。[The Silent Force]と比べてみると同じような曲調、サウンド・プロダクションだったのに対して本作はヘヴィでテンポが早い曲(といってもツーバスドコドコってほどの曲はありません)から空気の振動すら伝わってくるようなスローで崇高な曲まで揃え、曲毎、部分毎にサウンドプロダクション(ストリングスアレンジのオン/オフやギターサウンドをわざと荒くするなど)を微妙に変え、シャロンの歌声も前作以上に幅広い声を使い天使のような歌声に加えて、同じ女性の声とは思えないような低く邪悪な声(あの天使声に慣れているだけにその効果は予想以上に大きい)を披露し、聴き手の感情曲線は今まで以上に大きな起伏を味わうことが出来ます。ここまで人間の声が一つの楽器としてその音色やトーンに心地よさを感じさせ、息継ぎすら歌の一部として必要不可欠であると思わせるのは現代のロック/メタルの世界ではシャロンが唯一の存在かもしれません。いや、これほど人の心を動かす歌唱を聴かせるのは広い音楽シーンを見渡しても数少ない一人かも知れません。
アルバムはドラマティックな(1)The Howlingから(5)The Heart of Everythingを聴き終わるころには新たな名作であることを確信する高水準の楽曲で埋め尽くされています。パンチのある(2)What Have You Done、WITHIN TEMPTATIONの何たるかが詰まっている(4)Our Solemn Hour、超音波のようなファルセットが聴ける(7)The Cross
、アルバムのラストを飾る号泣必至の珠玉のバラード(11)Forgiven...各曲の個性が際立っている分アルバムとしての流れの良さやトータルバランスが整っており前作[The Silent Force]以上の“力”を感じます。
美しい歌声という人間にとっての普遍の魅力をこれまで以上に上手く活かす方法を手に入れたバンドは、まだロック/メタルの世界でしか浸透していないその存在をより幅広い層に広めるでしょう。
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2007年05月16日

ALL THAT REMAINS [The Fall Of Ideals]

B000FVBLEIThe Fall of Ideals
All That Remains
Razor & Tie/Prosthetic 2006-07-11

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元SHADOWS FALLのヴォーカリスト、フィリップ・ラボンテ率いるメロディック・デスメタルバンドALL THAT REMAINSの通算3作目にあたる作品の国内盤がやっと発売となりました(本国では昨年発売済)。 SHADOWS FALLは昨今のメロデスやメタルコアブームの先端に躍り出た、いわば現代メタルシーンを代表するバンドとなった訳ですが、そこから脱退しこうして素晴らしいバンドに成長した彼らを本当に頼もしいと思わせてくれる会心の出来となっています。
細かく刻まれるテクニカルなギターリフ、IRON MAIDENの影響を十分に感じさせるハーモニーや流麗なギターソロ、それをリードする手数足数の多いドラム、フィリップの迫力ある咆哮と今回大幅に増やしたメロディック・ヴォーカルなど今どきのメロデスのスタイルを踏襲しているものの、その質は間違いなくその界隈のトップ集団に割って入る水準を誇り、例えば、KILLSWITCH ENGAGEにはなぜギターソロがないんだ?と感じるリスナーやSHADOWS FALLのやや繊細さに欠けたラフなイメージがちょっと・・・という人にはこのALL THAT REMAINSこそツボとなるでしょう。どれもよいバンドですがそうした細かい違いがラボンテ自身のSHADOWS FALL脱退理由とのことなので、自らの道を追求した結果が本作の良い結果と2つのバンドとの明確な差別化を生み出していると言うことが出来るでしょう。
楽曲はどれも攻撃的でスピーディー、スクリームの種類も豊富でそのパフォーマンスはデスメタル以外のブラックメタルなどからのインスピレーションも感じさせ、そこに今回KILLSWITCH ENGAGEにも負けないメロディーヴォーカルをたっぷり組み込み、恐ろしくブルータルでありながらキャッチーなメロディー(ヴォーカルとギター)が何とも言えない整合性と突き抜ける高揚感を生み出し、また1曲1曲がコンパクトであることも手伝ってとても中毒性の高いアルバムになっています。ラボンテのメロディーヴォーカルはSTAINDのアーロン・ルイス(本人も影響を受けたと語っている)よりは線が細いものの声質自体は高い声も難なく使いこなしていて、今後の音楽性が広がった時に大きなアドバンテージになるものと思われます。
最近のメタル隆盛は北欧のメロディック・デスメタルの世界的な認知とハードコア系バンドのメタル化によってかなりアンダーグラウンドなポジションからの盛り上がりで成り立っている部分を多く含みます。今後はこうした動きによりさらなる浮上を目指すバンド達によってより大衆化(ポップ化)を狙った方向へと流れて行く事が予想されますが、同種バンドの大増殖の中、楽曲クオリティーで勝負出来る強みを持っているALL THAT REMAINSはそうした流れの中でも頑固なメタルの一線を踏み越えない芯の強さを感じる事が出来、とても心強い。

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2007年05月08日

THERION [Gothic Kabbalah]

therion-gothickabbalah.jpgゴシック・カバラ
セリオン
トイズファクトリー 2007-01-24

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何もかもがエクストリームな方向に向かいかけていたロック/メタルのシーンにメロディの重要性(ギターの重要性も含む)が戻ってきたのはここ3〜4年のこと。そんな中このTHERIONもメタルの本来の姿を再確認するような世界的な“揺り戻し”の動きが少なからず影響したかのような新作を発表し、クラシカル路線変更以降かつて無い程の正統派メタルの勇壮なメロディーを取り戻し、試み続けたクラシック音楽との融合が絶妙なバランスで組み合わさった傑作となりました。
前作からその兆候があったとはいえ、近作でのクラシカルなアレンジへの傾倒ぶりはメロディック・スピードメタル勢とは異なるメタル的要素をどんどん削ぎ落としたものとなっていき、アルバム[Secret Of The Runes]では殆ど通常のヴォーカルのない荘厳なクワイアが全体を支配していました。しかし本作には前作に引き続き参加したマッツ・レヴィンの他“あの”スノーウィー・ショウも含め4人ものヴォーカリストを迎え入れ、男声女声、硬軟等を使い分けたヘヴィメタルらしいシアトリカルで叙情的なヴォーカルラインが全編を支配しています。以前のクラシック音楽との“融合”が本作のサウンドを見つけるためのものであったかのようなTHERIONにとっての完全なネクストレベルへの到達を果たしました。デスメタルバンドとしてスタートした事を考えるとその音楽性の成熟度も驚異的な進化と言えるでしょう。
前作と同様に2枚組で1曲あたりのパーツも多いことから、1度聴いただけだと味覚を伴わない満腹感に見舞われる人もいるでしょうが、聴き込む度にまるでトリックアートを見ているかのようにヴォーカルメロディーに絡みつく流麗なギターやクワイヤ、オーケストレーションなどが違った視点を次々に生み出す味わい深い作品であり、ますますTHERIONの世界に引きずり込む魔力を増した、そんな印象のアルバムです。私の中では早くも今年のベストアルバム候補として聴き込みアルバムになっています。

今回参加した4人のヴォーカリストはそれぞれの個性を生かした素晴らしい歌唱を披露していますが(引き続き参加した やマッツ・レヴィンもいい仕事をしている)、特筆すべきはKING DIAMONDやDREAM EVILのドラマーとして有名なスノーウィー・ショウのヴォーカルでしょうか。本作のメタルの本道を聴き手に意識させる邪悪でエキセントリックでありながら素晴らしい歌唱力に裏打ちされた彼のパフォーマンスは本作の中でも一際大きなシンボルとして異彩を放っています。正直、本作によって彼はドラマーとしてよりもヴォーカリストとして自信を付け、自らがフロントに立つバンドを始めるべきだと意識するかもしれません。いずれにしても今回のヴォーカリストの起用は大成功であり、本作の持っているメタルオペラ的発想を具現化する上での大変重要な役割を果たしいます。相次ぐメンバー交代やヴォーカル起用法をみてももはやパーマネントなバンドという形態にこだわっていないと思われるTHERIONですが今回はクリスティアン(g)の技術と情感を伴ったギターソロがとても素晴らしく曲の飛翔感をさらに高めています。
きめ細やかな構成力に富んだアレンジや欧州産メロディック・パワーメタルが好まれる日本ではこれまで過小評価されたきたTHERIONが今まで以上に評価される機会がやっと訪れたような気がします。今年のLOUD PARKに呼ぶべきです。
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2007年04月23日

RAINTIME [FLIES&LIES]

raintime-fliesandlies.jpgフライズ・アンド・ライズ
レインタイム
徳間ジャパンコミュニケーションズ 2007-03-21

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イタリア産メタルバンドの2ndアルバムです。予想以上の成長を見せてくれました。インタビュー等で本人達も公言している通り、獰猛なデスメタルと正統派メタルのエッセンスを上手く取り入れ、キーボードを使った煌びやかなアレンジとデスヴォーカルとメロディックヴォーカルを使い分けるスタイルはCHILDREN OF BODOMの弟分といった印象ですが、DREAM THEATERやSTRATVARIUSなどの影響も垣間見え、デスメタルのブルータリティーよりもアレンジの多彩さやメロディーの際だちで曲の魅力を高めているため、聴き疲れすることなくアルバム全編楽しめます。ヴォーカリストのクラウディオ・コアシンは今では同系統のバンドの誰もがやっているデスヴォーカルとメロディックヴォーカルを使い分けるスタイルをかなり高次元で行っており、元SKID ROW のセバスチャン・バックのように聴こえる部分があるかと思えば、STRATVARIUSのティモ・コティペルトのように聴こえる時もあり(デス声も1stに比べると随分迫力を増している)、この器用さに経験が加わればなかなか面白い存在になるのではないかと思います。CHILDREN OF BODOMの尖鋭性にヨーロッパのバンド特有の憂いを含んだメロディーが全面に押し出され、その暴虐性と聴きやすいポップセンスがとてもバランスよく溶け合っています。TRIVIUMなどもそうですが、彼らのような若いバンドの多くは北欧メロディック・デスメタル以降の影響しか受けておらず、おそらくこれからそれ以前のスラッシュメタルやニューウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル以降の純粋な意味でのヘヴィメタルの要素を自身の中でどのように咀嚼してくかが成長の大きな鍵になると思われますが音楽理論を学んだメンバーがいるだけに今後もそつなく成長する事が期待されます。
まだこの1曲というものはありませんが全体的なレベルの高さ(本当に捨て曲はないです)で見事にアルバム全体の集中力を保っています。(2)Rolling ChancesにLiquid Tension ExperimentのAcid Rainが出てくるのはご愛敬。(8)はマイケル・ジャクソンのあのBeat Itのカバーですがライブの定番にしても良いくらいにとてもいい出来だと思います。


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2007年04月08日

ANTHEM [Immortal]

B000GIWNTCイモータル
ANTHEM 柴田直人
ビクターエンタテインメント 2006-08-30

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日本のメタル界を背負って立つバンドのひとつ、ANTHEMが放つ最新作。坂本英三シフトになってから充実作を連発するバンドの勢いは止まらず、ANTHEMの長い歴史を見渡しても本作の充実ぶりはベストのひとつと言っても良い素晴らしい出来です。メンバーの特徴が十分に発揮されながらその全てをANTHEMというパッケージに収めてしまうバンドの頭脳である柴田の作曲、アレンジ能力の高さに改めて感嘆しつつも、この才能に対する過小評価は洋楽ロックファンの食わず嫌いの暗い象徴として浮き彫りになります。
メロディーを丁寧に歌っているにも関わらず咆えているような男気溢れる坂本のヴォーカルは過去最高のパフォーマンスと言える出来で、その日本人らしいきめ細やかで少々ウェットな歌メロの充実度の高さと相まって最初から最後まで一気に聴かせるコンパクトさと十分な聴き応えを絶妙なバランス感覚で備えており、ハードロックとヘヴィメタルの間を行き来する“ジャパニーズ・メタル”特有の柔軟さも聴きやすさを増幅させています。
(1)IMMORTAL BIND(2)SOUL MOTORのような鋼鉄ANTHEMと(3)MOB GROOVE(10)ECHOES IN THE DARKのような叙情的なメロディーを前面に出した楽曲の数々はどれもが素晴らしいクオリティーで前編通して全く隙がありません。
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2007年03月28日

SKILLET [Comatose]

B000I0QJI4Comatose
Skillet
Lava 2006-10-03

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昨年リリースされながら私も全くノーマークだったバンドSKILLETは、これまでも日本発売がないバンドで男女2人ずつの4人組です。本作からのシングル曲[Rebirthing]をバンドのサイトで見てその即効力のあるメロディーに釘付けになりそのままアマゾンで注文してしまったアルバムです。[Rebirthing]だけを聴いた印象ではEVANESCENCEやラップを取り除いたLINKIN PARKといったマイナーキーを得意とする今時のバンドといった印象でしたが、アルバム全体を聴いてみると、すべての曲に耳を惹き付けるフックが存在し、凝ったヴォーカルアレンジや整理整頓されたサウンド(ややオーバープロデュース気味か)から80年代末期のハードロックバンドを想起させます。ヴォーカリスト、ジョン・L・クーパーの声質がHAREM SCAREMのハリー・ヘスにそっくりなこともあってか1st、2ndの頃のHAREM SCAREMらしい雰囲気が多分に感じられました。もちろんそこにProToolsで切り貼りした様々なテクスチャーが現代のバンドであることを主張してきますし、PVではギター、キーボードもこなしているコリー・クーパー(ジョンの奥さん?)のサブヴォーカル的な味付けがそれを決定づけています。プロデューサーは今や売れっ子コンポーザー/プロデューサーのブライアン・ハウズ。HINDERDAUGHTRYで結果を出しているブライアン・ハウは今回も楽曲、サウンド(ミックスはデイビッド・ボトリルとクリス・ロード・アルジ!)両面で良い仕事をしています。すべての曲があまりにそつなく、完成度が高いので、現代版産業ロックと言いたくなってしまいますが、すべてが収まるべきところに収まっているという意味では非の打ち所のない、捨て曲なしの高水準アルバムと言えるでしょう。
しかし、気になるのはこれほどの完成度を誇りながら日本はおろか、アメリカ本国でもそれほどセールス面で成功していないということです。ミュージックシーンでの成功にはバンドの質の他にもレコード会社、マネージメント、タイミング等が複合的絡んでいるのですが、トレンドの終焉とともに多くのバンドの息の根を止めてきたアメリカ音楽ビジネスの悪しき習慣の犠牲になるとしたらあまりにも悲しすぎます。以前の作品を聴く限り若干ヘヴィロック臭が強かったものの本作では完全にメロディーオリエンテッドな曲作りにフォーカスしており絶対きちんとプロモーションすれば日本で大ヒットすることは間違いないと思うのですが・・・興味を持った方はとにかく試聴してみてください。

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2007年03月19日

THE ANSWER [Rise]

B000FIH4ZQRise
The Answer
Alberts 2006-06-26

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この北アイルランド出身のTHE ANSWERを聴いてTHIN LIZZYやLED ZEPPELINに辿り着く若いロックファンはおそらく沢山いるでしょう。コーマック・ニーソンから放たれるエネルギーはブリティッシュ・ロックの正統な継承者であると高らかに謳い、アルバムは一度聴いただけで流行色で彩られた他のバンド達を矮小化させてしまう(困った事に自分が大好きなバンドまでもが遠くかすんでしまう)、THE ANSWERのロックはそんな気高いブリティッシュ気質に満ちあふれています。まるで70年代から抜け出してきたようなルックスとサウンドはLED ZEPPELIN、FREE、WHITESNAKE等のバンド達の血統証付きであると主張しているような感じです。スタイルの継承のみならず、曲のクオリティーも非常に高く、ブルージーでパワフル、そしてニーソンの歌の魅力を最大限に引き出す“古き良きロック”を体現する楽曲群は現代のバンドであることを忘れてしまいます。英国を中心にすでに有望な若手バンドとしてかなりの評価を受けているらしいのですが、欧米に比べてこういう種類のロックが受け入れられる土壌が比較的小さい日本でどのように受け入れられるのか、ロックシーンを盛り上げる存在になるのか、また上に挙げた先人達やBLACK CROWSあたりを思い浮かべられる世代はともかく、こういうサウンドに初めて触れる10代のリスナーは彼らのようなサウンドをどのように受け止めるのか非常に興味深いところです。

ロックシーン全体を見廻してもヴォーカリストの才能は70年代、80年代に比べて枯渇していると言えます。だから余計に彼の歌唱のような情熱と技術を併せ持ち、それらを同居させる術を心得た素晴らしい才能には畏敬の念すら抱いてしまいます。

昔々、私にとってGUNS N' ROSESの1st[Appetite For Destruction]は理解するのに時間がかかったアルバムでした。雑誌では軒並みべた褒め、ビデオもヘヴィーローテーション、しかしまだ子供だった私が聴いた印象はそれほど即効性のあるものではありませんでした。それが聴いているうちに今まで弛緩していた感性がゆっくりと溶解してとんでもない傑作であることに改めて気付き、今思えば価値観すら変えてしまった私の中でも数少ないアルバムとして聴き続けています。
THE ANSWERをGUNS N' ROSESと並べるつもりは全くありませんが、ニーソンの歌唱は今ロックを聴く若いファンに温故知新の旅に出る扉を開けさせるきっかけを作る事の出来るバンドであると言えるでしょう。素晴らしい!!

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posted by replicant at 00:33| Comment(2) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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