2006年07月15日

LOSTPROPHETS [Liberation Transmission]

B000FQJP28Liberation Transmission
Lostprophets
Columbia 2006-06-27

by G-Tools

本作が3rdアルバムとなるLOSTPROPHETSはアルバム毎に着実な成長と成功を成し遂げて来たという意味でもこの[Liberation Transmission]制作には本人達にも周囲からも多大なプレッシャーとの戦いから生まれたものだと言えるでしょう。
前作からのシングル[Last Train Home]の成功によりデビューアルバムでは散漫な印象だったバンドのパブリックイメージがようやく定着し、その方向性をより明確に深化させた本作の楽曲群は個々の楽曲に今まで以上のキャッチーさが加わり、前作で掴んだ足掛かりをしっかりと踏み外さずにバンドが1ランク上のレベルに到達したと実感出来るアルバムに仕上がりました。無理にヘヴィにすることなく、スクリームに逃げる事もないアレンジは「いい曲」とは何か?という問いに彼らなりに真正面から向き合った結果であり、歌メロの充実ぶりは過去の偉大な先輩達に対する憧れと向上心に溢れており、とくに彼らのような普段ロックを聴かない一般層をも巻き込む可能性を秘めているバンドにとっては、そうした一般リスナーが“たまたまラジオで聴き気に入った(4)RooftopsがLOSTPROPHETSというロックバンドの曲だった”という波及効果を大いに予感させるものになっています。エモやスクリーモといった比較的新しいカテゴリーから次から次と期待の新人がデビューしても思ったほどの成功に至らないのはそうした“一般リスナーの壁”をなかなか越えられないからであり、今回のLOSTPROPHETSはその壁を突き破る可能性を彼らなりに模索した結果であるとも感じられます。
(4)Rooftopsはいまはただの最新シングル曲だとしても数年後にはライブのアンコールで演奏されるべき曲に成長していると思うし、(9)4:AM Foreverはビルボードチャートを駆け上がっても全く不思議ではありません。様々な音楽的影響をパズルを楽しむようにLOSTPROPHETSの個性へと昇華させた原動力はおそらく彼らが好んで聴いた80年代の音楽。当時は作品の完成度の高さへの賛辞としてアルバム全曲シングルカットできるなんて言い方をされていましたが、2006年のLOSTPROPHETSが発表する[Liberation Transmission]にも同様の賛辞を送りたいと思います。

しかし、褒めすぎも良くないので気になった点もチョット。。
1つはボブ・ロックのプロデュース。彼が伝説と言われるのはやはりMOTLEY CRUEの[Dr Feelgood]とMETALLICAのブラック・アルバムを手がけているから。それは曲作りやアレンジ云々ではなく“あのサウンド”こそアーティストがボブ・ロックを起用しようと思う理由であるはず。しかし最近のボブ・ロックのプロデュースは彼であるメリットを全く感じる事が出来ません。常に最強のロックサウンドに仕上げようという意気込みも伝わってきません。それはこの[Liberation Transmission]でも同じでした。
もう1つはイアン・ワトキンスのヴォーカルです。本作は今までのLOSTPROPHETSと比べてプラスの上積みはあってもマイナスと思えるところは個人的にありません。しかしイアンのヴォーカルこそ最もプラスが確認したかった部分ですが、彼にとって80年代のアイコンであるジョー・エリオット(DEF LEPPARD)やジョン・ボン・ジョヴィ(BON JOVI)、セバスチャン・バック(SKID ROW)と比べればまだまだ実力も個性も足元にも及びません。本作ではその部分の上積みは期待していたほどではなかったと思います。言い換えれば継続的な音楽的成長とイアンの今後の成長次第でそうした先輩バンド達と肩を並べる可能性を秘めていると期待している訳です。

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posted by replicant at 15:39| Comment(4) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は前作が大好きで、新作もかなり期待していたのですが、まったくの期待ハズレでした。前作の個性と完成度がなくなり、普通のロックバンドと化してしまったのが残念でなりません。

不満を言ってしまってすみません。期待していたからこそなのです。
Posted by ギル at 2006年07月15日 22:26
コメントありがとうございます。

人それぞれ色々な意見があるでしょう。

概ね好評なレヴューが目立つ本作に対しても、ギルさんのように前作に対する思い入れが強く新作が期待していたものではなかったと感じる人もいるでしょう。10人が10人とも気に入るアルバムなんて不可能ですからね。
私が本作を評価しているのは本文の通りです。とても楽しめたし、彼等の様に見た目も音楽もキャッチーな存在が新しいロックファンを開拓しシーン全体の活性化にもつながると考えています。

ところで私はこのブログのサブタイトルを“ROCKのために”としました。ですから私個人が気に入って他の人にも紹介したいと思うものしか扱いません。毎月買うCDの中にはもちろん期待はずれもありますが、しかしそれを“気に入らない”と発信する事にあまり意味を見出せないからです。

そうした意図を汲み取っていただいてアルバム購入の参考にするなり、読まれた方それぞれの意見や感じ方との相違を楽しんでもらえればと思います。
Posted by replicant at 2006年07月16日 01:57
どうも〜、お久しぶりです。

前作からのBurn, Burnをラジオで聴いて「お、良いじゃん」と思ってすぐレコード屋に買いに走ったんですが、アルバム通して聞くと良いには良いけど響くものが少ないなぁって感じだったんで、最初はこれは見送る予定だったんですよね。

でも今回はreplicantさんのように絶賛されてる方が多いので結構買う方に傾いて悩んでたんですが、早速視聴みたら新曲2曲とも良い曲だったんでこれはもう買うしかないですね。なんていうか、良いバンドになりましたね、Lostprophetsって。
Posted by zep at 2006年07月16日 21:32
zepさん、お久しぶりです。(といってもブログの方はちょくちょく覗かせてもらっていますが)

バンドの2nd、3rd、4thアルバムといえば最も成長著しい時期ですよね。彼等も自分達の長所を知り、無駄な贅肉を削ぎ落とすことでひと周り大きなバンドへと成長しましたね。

本作は最初から最後までダレないのが特徴で、アルバム通して繰り返し聴いても飽きが来ません。
zepさんも試聴された2曲以外にもたくさんいい曲にめぐり合えると思いますよ。
Posted by replicant at 2006年07月16日 23:51
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Lostprophets「Liberation Transmission」
Excerpt: 「lostprophets」2006年発表の3rd。作品全体にキャッチネスの大幅増量が為されたこの3rdは化けたでも期待以上でもない、まさに願いが叶ったという感じだ。ヘヴィさは減退し印象としてはかなり..
Weblog: Rock Junkheadz
Tracked: 2006-12-06 22:32
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