2011年08月08日

BLOWSIGHT [Dystopia Lane]

ディストピア・レーン
ディストピア・レーンブロウサイト

Spiritual Beast 2011-02-16
売り上げランキング : 149688


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


スウェーデンの若手バンドの本邦デビュー盤。通算2作目。
この作品に関して私の身のまわりで起きたエピソード。ある日ロックにさして興味のない義弟がウチに遊びに来た時たまたま私のステレオからこのアルバムが流れていた。すると義弟は分厚くポップなサビのコーラスと適度に激しいギターサウンドに即座に反応したのです。数日後、彼はCDを購入し、気にいっているとのことでした。

昨今の細分化された音楽シーンで生き残るためにとりわけ重要なのはやはり“判りやすさ”。ロックアイコンと言われるスター達は皆瞬時に人を引き付けるキャッチ−さを持ち合わせていたのです。そんな先輩たちに肩を並べるとは言わないまでも一瞬でそのサウンドからバンドの全体像が伝わってくるような明快さを備えている、それだけでもこのBLOWSIGHTは大きなアドバンテージを持っていると言えるでしょう。

 でも上に書いたことと相反するようだけど、言葉でこのバンドのサウンドを説明しようとするとこれがまた難しいのです。10年前のポップパンクバンドのようでもあるし、エモ・スクリーモの影響もある。音作りはメタリック。とんでもなくシンプルな曲もあればオーケストレーションを導入した凝ったアレンジの複雑な曲(テクニカルという意味ではありません)も出てくる。アルバムに当世代のポップアイコンの代表曲のカバー(9)Poker Faceを入れるあたりもポップパンク勢を彷彿とさせる。とにかく1曲聴いてほしいのですがこのメロディの鮮度・爽快感はタダ者ではない感じなのです。耳に残るメロディを作る能力は冒頭に書いたように一般リスナーにも訴求力があるほどのクオリティなので、この記事を読んでいるあなたがパンクに興味がなくても、スクリーモって何?だとしても、とにかく一度彼らのサウンドに触れて欲しい。どれか1曲と言われれば間違いなく1曲目のI Wish You 666を薦めますが、出だし4曲はどれも遜色ないくらいの出来なのでぜひ聴いて頂きたい。(1)同様(4)Wake Up Deadや(8)Blue Hair(11)Standby Buttonはとても爽快で、かと思えば(5)Things Will Never Change(9)Days Of Rainはしっとり感動的なバラード。どの曲にも共通してるのはこのバンドはロックだけが彼らの影響源ではないということ。その辺は(12)Compassion For A Dream(14)Dystopiaに顕著に出ています。懸念すべきはポップファンからヘヴィー過ぎると言われ、メタルファンからヤワだと中指を立てられることでしょうか。確かにIN FLAMESのファンは見向きもしないかもしれないし、LADY GAGAを聴く人にはパワフル過ぎてボリュームを下げられてしまう可能性はある。だけどしっかりプロモーションされればかなりいい所まで行けそうなポテンシャルであることに疑いの余地はないでしょう。(いっそヨーロッパは捨ててアメリカオンリーで勝負すれば?なんて思ってしまいます)

何度もこのBLOWSIGHTアルバムを聴いた結論としては、とてもよい出来だが、同時にこれが最高到達点ではないことも感じさせる、今後の伸びしろを感じさせるアルバムだと思います。もっと上手くなるし、もっと長所をデフォルメ出来るし、もっと冒険出来る。それを達成したときには“BLOWSIGHTみたいな〜”と形容されるようなバンドになっているんじゃないでしょうか。

良い新人が認められ、来日公演が行われるくらいの売り上げを記録する。そのライブでまたファンを増やし次回作を期待させる。こうしたサイクルに乗ってバンドは成長する。新たな野心も生まれる。
ぜひその軌道に乗ってバンドを続けてほしい。このバンドが起こすロックの化学反応はより興味深いものへと発展していくはずだから。
posted by replicant at 23:40| Comment(1) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。