2008年02月11日

NIGHTWISH [Dark Passion Play]

B000TLYEEIダーク・パッション・プレイ~リミテッド・エディション
ナイトウィッシュ
ユニバーサル インターナショナル 2007-09-26

by G-Tools


看板ヴォーカリスト、ターヤへの衝撃の解雇通告で思ったのは、おそらくこのバンドのピークは前作[Once]であり、いくら作曲のイニシアティブをもっているツォーマス・ポロパイネンkey)がいて、この先どんな作品が発表されてもおそらく前作の亡霊はこのバンドに永遠に憑いてくるのだろうということです。バンドのクリエイティビティーとターヤの個性がかつてない程に高次元で融合した前作は明らかにこのバンドの一つの完成型であると同時に、EVANESCENCEによって耕された土壌(EVANESCENCEを気に入り同じようなサウンドを求めた新しいファンとNIGHTWISHは知っていたがEVANESCENCEによって女性ヴォーカルものに抵抗をなくしNIGHTWISHを再評価したファン)でも当然のように高く評価され、このジャンルのひとつの指標となりました。セールス的にもバンドのそれまでの記録を上回る成果を上げています。
ターヤ解雇はすでに起こってしまった事であり、各メディアでもその経緯が語られているのでその辺は割愛しますが、残念に思う気持ちを拭い去り、新生NIGHTWISHに期待したい気持ちはあるにはありましたが、ターヤのそっくりさんを加入させるつもりはないんだとある程度わかっていたせいか、どんなサウンドになるか期待と不安が入り交じった焦燥感でジリジリしながら待っていた中で本作が登場しました。
注目が集まるなか新加入したのはスウェーデン出身のアネット・オルセンで、声質の第1印象はターヤとWITHIN TEMPTATIONのシャロン・デン・アデルの中間くらい(ターヤの驚異的な荘厳さやシャロンの繊細な歌唱力はありません)、オペラティックな歌唱はなく、よりポップで大衆的な響きを声自体が内包しているといったもので、言うなれば、ターヤの歌唱のスキルを全てではないにしろ再現出来る能力を持ちながら、より耳に心地よい親しみやすさが彼女の武器であるといったところでしょうか。

NIGHTWISHのアルバムとしてはおそらくかなりヘヴィーに仕上がっている本作はギターが前面に出て来て、より豪奢になったオーケストラやクワイヤは前作にも増して非の打ち所がなく、それにターヤ解雇でツォーマス達が味わった心情を吐き出すかのような歌詞とその感情を聴き手に増長させるマルコ・ヒエタラ(b)の歌(今回の彼は歌うパートが増えてその歌唱は本当に素晴らしい。特に(10)The Islander!!)がヘヴィーという印象を決定づける要素となっていて、アネットのヴォーカルのような中和剤がなかったら相当ダークなイメージになっただろうなと思います。その中で光る(6)Evaや(3)Amaranthといった艶やかなポップ感を伴った楽曲はターヤという翼をもがれてもなお墜落することなく転生したこのバンドの力強い生命力を感じさせ本作の輝きの象徴となっています。
(1)The Poet and The Pendulum(5)Master Passion Greed(12)7 Days to The Wolves等などを聴いてターヤの不在を嘆くファンはいるだろうか?少なくとも私は全く否定的な意見すら浮かんでこない。それくらいこのアルバムと新加入のアネットに満足しています。
プロモーターの会場のチョイスに愕然として行く気が失せた今年初頭の来日公演もかなり好評のようだったので次回はせめてZEPP東京くらいを使わせて彼らのフルパフォーマンスに近いライブを見せて欲しいものです。

(2)Bye Bye Beautiful(3)AmaranthのPVが観られます。
posted by replicant at 01:07| Comment(2) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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