2007年03月28日

SKILLET [Comatose]

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Skillet
Lava 2006-10-03

by G-Tools


昨年リリースされながら私も全くノーマークだったバンドSKILLETは、これまでも日本発売がないバンドで男女2人ずつの4人組です。本作からのシングル曲[Rebirthing]をバンドのサイトで見てその即効力のあるメロディーに釘付けになりそのままアマゾンで注文してしまったアルバムです。[Rebirthing]だけを聴いた印象ではEVANESCENCEやラップを取り除いたLINKIN PARKといったマイナーキーを得意とする今時のバンドといった印象でしたが、アルバム全体を聴いてみると、すべての曲に耳を惹き付けるフックが存在し、凝ったヴォーカルアレンジや整理整頓されたサウンド(ややオーバープロデュース気味か)から80年代末期のハードロックバンドを想起させます。ヴォーカリスト、ジョン・L・クーパーの声質がHAREM SCAREMのハリー・ヘスにそっくりなこともあってか1st、2ndの頃のHAREM SCAREMらしい雰囲気が多分に感じられました。もちろんそこにProToolsで切り貼りした様々なテクスチャーが現代のバンドであることを主張してきますし、PVではギター、キーボードもこなしているコリー・クーパー(ジョンの奥さん?)のサブヴォーカル的な味付けがそれを決定づけています。プロデューサーは今や売れっ子コンポーザー/プロデューサーのブライアン・ハウズ。HINDERDAUGHTRYで結果を出しているブライアン・ハウは今回も楽曲、サウンド(ミックスはデイビッド・ボトリルとクリス・ロード・アルジ!)両面で良い仕事をしています。すべての曲があまりにそつなく、完成度が高いので、現代版産業ロックと言いたくなってしまいますが、すべてが収まるべきところに収まっているという意味では非の打ち所のない、捨て曲なしの高水準アルバムと言えるでしょう。
しかし、気になるのはこれほどの完成度を誇りながら日本はおろか、アメリカ本国でもそれほどセールス面で成功していないということです。ミュージックシーンでの成功にはバンドの質の他にもレコード会社、マネージメント、タイミング等が複合的絡んでいるのですが、トレンドの終焉とともに多くのバンドの息の根を止めてきたアメリカ音楽ビジネスの悪しき習慣の犠牲になるとしたらあまりにも悲しすぎます。以前の作品を聴く限り若干ヘヴィロック臭が強かったものの本作では完全にメロディーオリエンテッドな曲作りにフォーカスしており絶対きちんとプロモーションすれば日本で大ヒットすることは間違いないと思うのですが・・・興味を持った方はとにかく試聴してみてください。

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posted by replicant at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月19日

THE ANSWER [Rise]

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The Answer
Alberts 2006-06-26

by G-Tools


この北アイルランド出身のTHE ANSWERを聴いてTHIN LIZZYやLED ZEPPELINに辿り着く若いロックファンはおそらく沢山いるでしょう。コーマック・ニーソンから放たれるエネルギーはブリティッシュ・ロックの正統な継承者であると高らかに謳い、アルバムは一度聴いただけで流行色で彩られた他のバンド達を矮小化させてしまう(困った事に自分が大好きなバンドまでもが遠くかすんでしまう)、THE ANSWERのロックはそんな気高いブリティッシュ気質に満ちあふれています。まるで70年代から抜け出してきたようなルックスとサウンドはLED ZEPPELIN、FREE、WHITESNAKE等のバンド達の血統証付きであると主張しているような感じです。スタイルの継承のみならず、曲のクオリティーも非常に高く、ブルージーでパワフル、そしてニーソンの歌の魅力を最大限に引き出す“古き良きロック”を体現する楽曲群は現代のバンドであることを忘れてしまいます。英国を中心にすでに有望な若手バンドとしてかなりの評価を受けているらしいのですが、欧米に比べてこういう種類のロックが受け入れられる土壌が比較的小さい日本でどのように受け入れられるのか、ロックシーンを盛り上げる存在になるのか、また上に挙げた先人達やBLACK CROWSあたりを思い浮かべられる世代はともかく、こういうサウンドに初めて触れる10代のリスナーは彼らのようなサウンドをどのように受け止めるのか非常に興味深いところです。

ロックシーン全体を見廻してもヴォーカリストの才能は70年代、80年代に比べて枯渇していると言えます。だから余計に彼の歌唱のような情熱と技術を併せ持ち、それらを同居させる術を心得た素晴らしい才能には畏敬の念すら抱いてしまいます。

昔々、私にとってGUNS N' ROSESの1st[Appetite For Destruction]は理解するのに時間がかかったアルバムでした。雑誌では軒並みべた褒め、ビデオもヘヴィーローテーション、しかしまだ子供だった私が聴いた印象はそれほど即効性のあるものではありませんでした。それが聴いているうちに今まで弛緩していた感性がゆっくりと溶解してとんでもない傑作であることに改めて気付き、今思えば価値観すら変えてしまった私の中でも数少ないアルバムとして聴き続けています。
THE ANSWERをGUNS N' ROSESと並べるつもりは全くありませんが、ニーソンの歌唱は今ロックを聴く若いファンに温故知新の旅に出る扉を開けさせるきっかけを作る事の出来るバンドであると言えるでしょう。素晴らしい!!

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posted by replicant at 00:33| Comment(2) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月08日

36 CRAZYFISTS [Rest Inside The Flames]

36crazyfists-restinsidethef.jpgREST INSIDE THE FLAMES
36クレイジーフィスツ
ロードランナー・ジャパン 2006-11-15

by G-Tools



前作[A Snow Capped Romance]で一気にその名を広めたアラスカ出身の36CRAZYFISTSの3rdアルバム。ハードコア、ヘヴィロック、メタル、スクリーモなどが思い浮かぶアタック感の強いサウンドと彼ら特有の愁いを帯びた歌メロが絶妙なマッチングを見せていた前作は、ここ日本では全く話題にならないのが不思議で仕方ありませんでしたが、アルバム通して楽曲の完成度が高いとてもいいアルバムで個人的にも長い間楽しめたアルバムでした。
本作も基本的に前作と同様の流れにあり、アラスカの厳しい寒さをしのぎながら短い春をじっと待つ、そんな感情風景が表れたかのようなギターのクリアトーンとディストーションの絡み、一層自信を付けたブロック・リンドウ(Vo)の切れ味鋭いスクリームと伸びやかでいて突き刺さるようなメロディーヴォーカルは今回も素晴らしいアンサンブルを聴かせ、前作より若干メタル寄りのギターリフが増えたせいか、テンションの高いスクリームの割合が増えた印象です。
(1)I’ll Go Until My Heart Stopsは今までの彼らにはなかった明るい印象を与える曲ですが、前作の1曲目At The End Of August同様つかみはOKといった曲で、明るいヴァースからいつもの陰りのあるコーラスへの変化が面白い曲。メタルっぽい(4)Elysium(6)Midnight Swimは一緒にツアーしてきたバンドたちの影響でしょうか。(4)にはKILLSWITCH ENGAGEのハワード・ジョーンズも参加。どっちがどっちなんだか判らないが(笑)それだけリンドウのヴォーカルにも迫力が出てきたということなのだと思います。
ヘヴィ系ならどんなバンドともツアー出来る間口の広さもあるので、同じレコード会社だしKILLSWITCH ENGAGE辺りと来日を切に願います。

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posted by replicant at 20:19| Comment(0) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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