2007年02月20日

RAMMSTEIN [Volkerball: Bildband Limited Edition]

B000JKA0B0Voelkerball: Bildband
Rammstein
Universal 2007-01-02

by G-Tools


純粋なライブ盤ということでは[ベルリン・ライブ]以来の作品である[Volkerball]はフランスはニームでのRAMMSTEINがいかに熱狂的に受け入れられているかを克明に記録した作品であるだけでなく、彼らの楽曲の良さ・ライブでの演奏能力の高さ・“RAMMSTEIN”というエンターテイメントの他に類を見ない完成度の高さを示してくれる最高のパッケージとなっています。
私はブログの記事カテゴリにRAMMSTEINを作ってしまうくらい彼らのことが好きなので、今回はアマゾンで約1万2000円という些か暴力的な価格設定がなされていたLimited Editionを迷わず購入。届いたダンボールの予想外のデカさと重さに驚きながら箱を開けると変型A4サイズ、190ページに及ぶ豪華な写真集が現れ、表紙の裏にCD2枚、DVD2枚がはめ込まれている仕様。写真集はツアーでのライブシーンよりもむしろそれ以外の様々なシーンを収めており、オフにくつろぐメンバーや純粋なアートと言えるものまで様々な写真を楽しめる正に豪華版です。
本編であるニーム公演の模様は、ここ日本の地では到底実現の見込みがない会場の規模、フルスペックでのライティングや火を使った演出(演出に関しては2005年の来日公演でも85%程度は再現されていたが)、それに熱狂する一体となった数万人のファンなどヨーロッパでの彼らのバンドとしての規模のデカさに圧倒されながら観ていると、現地でこれを体験したいという抗いがたい羨望の中に、日本ではバンドのプロモーションが全くなされていない状況への憤りという不純物が混入している事に気付き、どうにかしたい、もっと多くの人にRAMMSTEINを気に入って欲しい、なんて欲求までも膨らんでくる最高の出来です。それは裏を返せば私自身のRAMMSTEINのライブに対する飢餓感でもあるのだと思う。

Flash Card(トレイラーのようなものが見られます)
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2007年02月16日

Hinder [Extreme Behavior]

B000B7QOR0Extreme Behavior
Hinder
Universal 2005-09-27

by G-Tools


新人ながら既にシングル曲(8)Lips Of An Angelが大ヒットし、アルバムも200万枚に到達するHINDERのデビューアルバムです。アメリカでは既に発売から1年以上経っていますが、このシングルヒットによりロングセールスを続け、国内盤発売に漕ぎつけました。
仮に80年代にデビューしていればおそらく産業ロックと揶揄されるようなサウンドですが、90年代のグランジ・オルタナティブという時代のフィルターを通過したことによって、アメリカの広大な大地を想起させるアメリカン・ハードロックは過度な装飾を取り払った良質なメロディーをダイレクトに伝えるアレンジで貫かれた楽曲群で、この分野ではNICKELBACK以来久々に登場した才能といえるのではないでしょうか。ヴォーカルの埃っぽく、いがらっぽい声質で好き嫌いが分かれそうですが、とりわけ郷愁を誘うメロディーの前にそんな事はどうでもよくなってしまうでしょう。地味な音色の中にメロディーの心地よさを見つけながら聴いて行くことを強いられるので、第一印象は目立ちませんが何回も聴いているとどの曲も耳に馴染んでくるといった印象です。
そしてまだ(6)Better Than Meというキラーチューンがこれからシングルカットされることを考えるとまだしばらくはチャートを賑わすアルバムとなりそうです。
最近には珍しくルックスも気を使っていて(ルックスが悪いバンドばかりという訳ではありませんが、見た目に気を使わない連中が多いと思いませんか?)女性ファンも呼び込めそうです。

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2007年02月11日

I Am Ghost [Lover's Requiem]

B000I2IRLELovers' Requiem
I Am Ghost
Epitaph 2006-10-10

by G-Tools


ゴス+スクリーモな新人バンドによる1stフルアルバム。以前のミニアルバム[We Are Always Searching]がなかなか良かったので本作も期待していましたが、期待以上の出来。以前よりメタル度が若干増量し、タフになったサウンドにゴス風味の暗くせつない歌メロが絡む、ありそうでなかったタイプです。バイオリンが担当楽器の女性がヴォーカルも兼ねており、メインヴォーカルのスティーヴン・ジュリアーノとの絡みが“天使と悪魔”のようなとても良い対比と相乗効果を生み出しています。
スティーブンの歌いまわし、女性ヴォーカルの声質、前のめりな曲調とダークな歌メロなどの特徴を聴いて総合するとBLEEDING THROUGH+LACUNA COIL+MY CHEMICAL ROMANCEと形容できるかもしれません。
ゴス風味を醸し出す大きな役割を担っているのがその紅一点ケリス(Vo&Vio)の存在でしょう。単体のバイオリンが鳴らす悲劇的で情熱的で孤独感を煽る音色は、あくまでヴォーカル主体の曲に重要な1ピースを添えており、彼女のヴォーカルはLACUNA COILのクリスティーナ・スカビアに似て(あそこまで扇情力があるわけではないが)いて、曲によっては彼女がメインを張りアルバムが単調な一本道にならないための鮮明な道標となる重要な存在です。ストレートでエッジーな曲でもメロウな曲でも彼女のバイオリンやヴォーカルなどのテクスチャーが加わるとその楽曲の印象深さが変わる程で、こういったバンドのストロング・ポイントを生かすためにもメインヴォーカルのスティーヴンにはもう少し頑張って欲しいところです。
それにしても楽曲のクオリティーの高さは他の平均的なスクリーモ系バンドを完全に圧倒するものだし、第一印象の良さを聴くうちにさらに良いものに改めさせる内容の濃さは新人の成熟度からはかけ離れたものです。

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2007年02月09日

Daughtry [Daughtry]

昨年中に買っておきながら忙しさのあまり、まだ聴いていないアルバムが増えてきたので、普段よりサクッと紹介します。文章にする時間がないだけで、決してこれらのアルバムを軽視しているわけではないので、これまで同様の推薦盤です。

B000K2QL7Yドートリー
ドートリー
BMG JAPAN 2007-01-24

by G-Tools

アメリカン・アイドルというオーディション番組で注目されたクリス・ドートリー率いるバンド名義によるデビューアルバム。スキンヘッドで武骨なルックスからは想像できないような滑らかで良く伸びる声量と誠実さを帯びた声音が心地よいクリスのヴォーカルを中心に据えた大らかなハードロック(AOR風という言葉が通じるかわかりませんがそのような雰囲気)をやっており、シングル(1)It's Not Overに代表されるようにNICKELBACKとMATCHBOX TWENTYを掛け合わせたようなサウンドです。ブックレットにはクリス以外のメンバーも写っていますが、クレジットを見る限りバンドとしての活動はアルバム発表後からのようで、演奏陣はロックファンなら1度や2度は聴いた事のある腕利きミュージシャンの名が並び、コンポーザーについてもミッチ・アラン(SR-71)、ベン・ムーディー(EVANESCENCE)等などヒット曲を持っている人達が固め、そしてプロデューサーは現在売れっ子No,1プロデューサーのハワード・ベンソン・・・レコード会社の猛プッシュぶりが良く伝わってくる人選です。実際、その期待に違わぬ素材を生かした上での彼らの仕事っぷりは見事です。
ロックとして熱いか?と聞かれればそういうタイプではないと思いますが、クリスのヴォーカルに身を委ねて、伸び伸び歌う様に心惹きつけられる楽曲群はどれも並外れたものなので、これらが次々とシングルカットされると1年後もアルバムトップチャートに入っている可能性すらあります。特に(1)It's Not Over(2)Used To(3)Home(4)Over Youは素晴らしい出来!

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2007年02月04日

MY CHEMICAL ROMANCE [The Black Parade]

B000JLSVH4ザ・ブラック・パレード(初回限定盤)
マイ・ケミカル・ロマンス
ワーナーミュージック・ジャパン 2006-12-06

by G-Tools

前々作[I Brought You My Bullets You Brought Me Your Love]が出たとき、数年後このバンドがこのような作品を出すと誰が予想したでしょうか。前作[Three Cheers for Sweet Revenge]は私にとって(おそらくこうしたパンクやスクリーモを愛する全ての人達にとっても)衝撃的な傑作でした。パンク、エモ、スクリーモのいいとこ取りと評されたサウンドは当時蔓延っていたポップパンク勢を蹴散らす大胆さ・不敵さを放ちながら、スクリーモ系バンドがいまいちブレイクしきれない最大の要因であった聴きづらいスクリームを排除しながらもエッジを失わないジェラルド・ウェイの個性際立つヴォーカルが素晴らしく、元々持っていたポップセンスもハワード・ベンソンのプロデュースによってシンプルな曲構成の中でもその持ち味を発揮出来るまでになり、バンドの知名度を上げる事になる幾つものキラーチューン((1)Helena(4)You Know What They To Do Guys Like Us In Prison(5)I'm Not Okay (I Promise)(6)The Ghost Of You(9)Thank You For The Venomなど)を生み出しました。最近では珍しくロングヒットとなった前作は今までのところ100万枚以上売れており、本作はそうした期待の中発売される彼らにとって3枚目のアルバムとなります。

本作は(5)Welcome To The Black Parade1曲のためにあるようなアルバムではありませんが、それでもやはりこの曲の突出した完成度はアルバムの中で群を抜いていると言わざるを得ません。その1音で聴き手の耳を惹きつけるピアノ、マーチングバンドに乗ったイントロからMY CHEMICAL ROMANCEの何たるかを一気に爆発させ、エンディングでは本作のキーワードのひとつであるQUEENへのオマージュで締めくくる彼らの新しいアンセムはバンドの代表曲として愛され続け、10数年後にはクラシック・ロックになっているだろうことが容易に思い浮かべられるような名曲です。私はこの曲以外にも(8)Cancer(9)Mama(10)Sleep(11)Teenagersのまるで全然違うバンドの曲を集めたかのような楽曲をジェラルドの声が繋ぎとめている様な展開も気に入っています。
本作は明確な意味でのコンセプト作ですが、出来た曲に共通のテーマを見出し歌詞やメロディーを付けていったそうで、楽曲の方向性はこれまでのMY CHEMICAL ROMANCEと比べてさらに多岐(前述のQUEEN以外にも現在も普遍的なロックと同義語であるKISS、AEROSMITH等からの影響が色濃くにじみ出ている)に渡ります。それでも前作が遠くかすんでしまう様な突き放した感じがなく、前作のファンが自分の好きなMY CHEMICAL ROMANCEを確認できるのは、それはやはりジェラルド(彼はどんどん上手くなるというよりスティーヴン・タイラーのように独自の領域を築きつつある)の強烈な個性とこのバンド特有の艶のあるメロディーの継承に他ならないでしょう。
何も考えずに楽しむことも出来るし、歌詞を理解しより深くアルバムを楽しむことも出来る息の長い作品として聴きこむことが出来る、そんな作品であると感じました。
そしてなによりこのバンドがこのアルバムで成し遂げそうなこと、と期待しているのは、現代の細分化したロックマーケットにおいて久々にジャンルの壁を越えて評価される存在になるのではないか、ということです。今はその気になれば人はどんな情報でもインターネットを介して手に入れることが出来てしまいます。それは裏を返せば自分の必要な情報のみ手に入れてしまうとも言える訳で、リスナーがジャンルの壁を越えるのは何かしら大きなきっかけが必要なのだと思います。そんなリスナーの持っている壁を溶解してしまう力(懐の深さ)に漲っている本作の出来が正当に評価されればロックシーンの中でとても重要な位置に登りつめても何ら不思議なことではありません。

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posted by replicant at 00:33| Comment(2) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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