2007年01月24日

Red Jumpsuit Apparatus [Don't You Fake It]

B000G0MI86Don't You Fake It
The Red Jumpsuit Apparatus
Virgin 2006-07-18

by G-Tools


またひとつ有望な新人の登場です。フロリダのジャクソンヴィル出身の5人組でこれがおそらくデビューアルバムになります。そのサウンドは例えるならWAKING ASHLANDのジョナサン・ジョーンズ(Vo)がバンドにSTORY OF THE YEARを従えて自らフロントに立ち、歌っているようなサウンドで、美しいメロディーの瑞々しさとSTORY OF THE YEARなどスクリーモ系が持つドライブ感を併せ持つのが特徴です。ジャンル分けすればエモ/スクリーモに分類されるバンドですが、曲を1回聴いただけで口ずさめるようなポップなヴォーカルメロディーと適度にハードな質感を帯びたギターを中心としたサウンドが心地よく、ポップフィールドに進出できる程の普遍的な魅力に溢れたロックバンドと言えるでしょう。
特に(1)In Fate's Hands〜(6)Cat And Mouseの流れは素晴らしく、飛び跳ねるような若々しさと、どうしたって耳から離れない甘くせつないメロディーの洪水で時間が経つのも忘れてしまうくらいです。どの曲もシングル候補となるようなキャッチーなメロディーが存在し、なおかつそのどれもが幾つもの色彩を表しており、似たような歌メロにならない曲作りをすることが出来る器用さを持ち合わせた新人という意味で同系統のSAOSINに並ぶ存在ではないかと思います。
シングル曲(4)Face Downは1度聴けば“アルバムを聴いてみよう”と思わせるだけの十分な引力を備えているアルバムのハイライトとなる曲ですが、他にも(3)False Pretense、(8)Atrophyなど同等の魅力を備えた曲が並び、アルバムを聴き終わると再び再生ボタンを押さずにはいられない中毒性を持っています。

ただひとつ気になるのは申し訳程度に挿入されるスクリームの貧弱さでしょうか。取ってつけたように苦しそうな声音で挟まれる叫び声はせっかく素晴らしいメロディーがあるのにそれを興ざめさせる効果しか得られていないように思います。(実際にも(4)Face DownのPVではそのわずかなスクリームを編集でカットしたバージョンになっている。)

このアルバム、国内盤の発売が2月末に決まりましたが最近は良いバンドでも国内盤のリリースが見送られたり、大幅に遅れる事も多々あるので、もし試聴して気に入ったのなら輸入盤を購入してしまった方が良いと思います。国内盤の発売を待っている間に購入欲がそがれ、新たなCDへと気持ちが移りこのバンドの存在が埋もれてしまうのはもったいない事だと思うので。SAOSINとのセットでの来日願!!

試聴する
posted by replicant at 22:41| Comment(2) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月13日

2006年が終わりました。

あっという間に2006年を振り返る時期になったことに焦燥感を感じずにはいられませんが、このブログのスタートがちょうど1年前で私的2005年のベストアルバムを載せています。2005年は大物バンドのリリースも多く、ハイレベルな作品が多かった中、解散という衝撃とバンドのポテンシャルを超越した最高傑作[The Funeral Album]で全て持って行った感のあるSENTENCEDが最も素晴らしく、記憶に残る作品であったと感じます。
2006年は大物の作品のリリースは少なかったものの、2005年ほどではないにしろ多くの素晴らしい作品がリリースになり、全体的には豊作の年だったと言えるのではないでしょうか。
そこで今年も2006年を振り返り私個人的に良かったアルバムをいくつかあらためてここに挙げてみたいと思います。順位は付けられませんが、特に良く聴いたアルバム達です。

KILLSWITCH ENGAGE [As Daylight dies]
 昨年最も良かったのはこのKILLSWITCH ENGAGEのニューアルバムです。本来アンダーグラウンドな音楽であったヘヴィメタルが市民権を得て最も隆盛したのはいつのことでしょうか?このアルバムはメタルを再び音楽シーンの最前線へ運ぶだけのポテンシャルを持った、恐ろしく高いポピュラリティーを持ったアルバムです。聴く度に勇気が湧き力漲る滋養強壮アルバム。

PROTEST THE HERO [Kezia] 昨年目立ったWOLFMOTHER、ROADSTAR、THE ANSWER、SAOSIN、Red Jumpsuit Apparatusなど勢いのある若手バンドの中でも特に個人的に気に入ったのがこのPROTEST THE HERO。プログレッシな展開と豊かなメロディーが絶妙で◎。プログレッシブメタルとハードコアが50%ずつではなく100%で主張しあう。

AMORPHIS [Eclipse]
大幅なメタル度復活によってAMORPHISへの期待度を全ての面で上回った会心作。正直ここまで良いとは全く予想出来ませんでした。新ヴォーカリストの持つエッジも今の音楽性を十二分に引き立てている。ファンのこのバンドに対する理想形とバンドのやりたい事が見事に合致した幸福な1枚。SENTENCED亡き後は彼らに期待するという人も多いのでは?

SAOSIN [SAOSIN]
新人ながら高い音楽性と素晴らしいメロディーメイカーぶりでエモ/スクリーモ界に新風を吹き込む存在感。透明感ある歌声とバンドのアンサンブル(ドラム!!!!!!)が素晴らしく、泣きメロのオンパレードに思わず涙腺がゆるむ。やっと国内盤も発売!!

BLIND GUARDIAN [A Twist In The Myth]
 あからさまな路線変更はせずとも新しいことにチャレンジしつつ、これまでバンドが築きあげたクオリティーを全く損なわない楽曲群はさすがです。メンバーの野暮ったいイメージ(失礼!)で損をしているようで、もっともっと人気が出ていいはずの音楽クオリティー。

TRIVIUM [The Crusade] ヴォーカリスト・マットの才能が開花。全方位型メタルに近づいた。今回も若々しく勢いのある作品だが、細かなリフ展開、豊かな歌メロ等格段に成長している。彼らにメタルの未来の一翼を担ってもらわなければと勝手に確信した1枚。

IRON MAIDEN [A Matter Of Life And Death]
 最初は平坦に聴こえるが聴き込む毎に深みを増す作品。その聴き込みに疲労を感じさせないだけの求心力を持っており、今回も全く衰えないB・ディッキンソンのヴォーカルは恐ろしい。

IN FLAMES [Come Clarity]
 現在の世界的なメタル景気の立役者のひとりIN FLAMES。アメリカのモダンなサウンドを完全に自分たちのモノにした自信漲る作品。いまだにデビュー時からの暴虐性と叙情性に磨きがかかっている。

SCAR SYMMETRY [Pitch Black Progress]
 基本的に前作踏襲ながらヴォーカル、クリスチャン・アルヴェスタムの変幻自在の歌いっぷりが見事。痒いところに手が届いてしまう多彩な楽曲やギターソロも素晴らしい。

TOWERS OF LONDON [Blood Sweat & Towers]
パンクの初期衝動とわかりやすいコーラス、風貌等全てが聴いた者の目、耳を捉える。太く短い活動が予想される(!?)だけに次作には大化けを期待したい。

STONESOUR [Come What (Ever) May] 正直、コリーがこのバンドについて熱く語っている様やこのアルバムの充実ぶりを考えるとSLIPKNOTの将来すら危惧してしまいます。コリーの歌心を存分に楽しめる素晴らしい楽曲満載の1枚。名曲Through Glassだけのアルバムではない。

他にも例えばMY CHEMICAL ROMANCEの[The Black Parade]やRed Jumpsuit Apparatusの[Don't You Fake It]、36 CRAZYFISTS[Rest Inside The Flames]などは聴き込みの時間が足りず次点としますが、どれも本当に素晴らしい内容なので近いうちに更新したいと思います。
挙げればキリがありませんがWolfmother[Wolfmother]ROADSTAR[Grand Hotel]LOSTPROPHETS[Liberation Transmission]Bullets And Octane[In The Mouth Of The Young]ANGRA[Aurora Consurgens]、The Answer[Rise]などもとてもいい出来で常にヘヴィーローテイションでした。
The Answer[Rise]は満を持して国内盤が発売になりますが、近年まれに見る並外れた能力を持つヴォーカルのコーマック・ニーソンはぜひ今年中にライブで観たい1人です。

今年は大物(METALLICA、MEGADETH、JUDAS PRIEST、GUNS N' ROSES!?、VELVET REVOLVER)のアルバムが多く出ます。その合間にもまた昨年同様たくさんの秀作に出会えることを願ってやみません。
posted by replicant at 00:28| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月01日

BLIND GUARDIAN [A Twist In The Myth]

B000GLKRDSA Twist in the Myth
Blind Guardian
Nuclear Blast 2006-09-05

by G-Tools


ドイツが誇るメタルバンドのひとつではあったにせよ、最近はAVENGED SEVENFOLDの発言(BLIND GUARDIANやSONATA ARCTICAに影響された)でアメリカ市場でも急速に注目度が高くなっているBLIND GUARDIANのニューアルバムが素晴らしい内容になっています。
前々作[Nightfall In Middle Earth]はそれまでの集大成的作品として“極めた”アルバムであったとするならば、前作[A Night At The Opera]はBLIND GUARDIANが自分たちが進むべき方向を吟味し見事具現化し、新しい領域へ踏み出した作品でした。
本作も基本的にその前作を踏襲した内容になっていますが、その表現力はより多角的に広がり、疾走するメタルとクラシック音楽のクワイアやケルト音楽の牧歌的なメロディーを組み入れたスタイルにロックンロールの要素も顔を覗かせる幅広さを持ち、デビュー時にはヴォーカルさえ良ければ...などと揶揄されることもあったハンズィのヴォーカルもクリーンな高音から朗々と歌い上げる低音まで非常によく声をコントロール出来るまでになり、ジャーマンメタルファンはもとより、もっと潜在的なメタルファン(例えばEVANESCENCEは聴くが他のメタルは全く知らないようなファン)までも取り込もうとするような野心的な内容となっています。
先行シングルになった(4)Flyはまさにそういう曲で聴いてまず思ったのが随分シンプルだなということと、ハンズィのヴォーカルの変化です。ヴォーカルのメロディーを無視して聴いてみるとメタルというよりもほとんどロックンロールといえるほど“軽さ”を持った曲で、ヴォーカルメロディーこそBLIND GUARDIANのものですがハンズィのヴォーカルスタイルは力んだり、ザラつかせたりすることなく非常に“キレイ”な印象を与える歌唱でした。私はこの1曲を聴いて非常に不安を覚えた一人ですが、こうしてアルバム通して聴いてみるとそれはBLIND GUARDIAN印の付いた恐ろしくクオリティーの高い楽曲ばかりであり、BLIND GUARDIANとしての根幹には、これまで彼らのライブに足を運んだファンを納得させる基本を崩さずに、飽くなき質の追求と新しいことへの挑戦をしつづけるストイックさが伝わって来ます。“漢”らしさが大幅に薄まり、これまで長尺傾向にあったのが4〜5分台とコンパクトに収まった楽曲に“物足りない派”“新規参入派or再発見派”に別れそうですが、物足りないと感じる方もアルバム通して聴いた時の満腹感も決して前作に劣るものではないと思いますし、個人的には過装飾と感じた前作のアレンジと比べてダイレクトに曲そのものの良さが伝わってくるアレンジのレベルであると思います。(1)This Will Never End(2)Otherland(3)Turn The Pageの流れは完璧なBLIND GUARDIANだし、お得意のケルト節全開の(9)Skalds & Shadowsもあります。アルバムを何度も何度も聴いてるうちに始めは少し懐疑的だった自分の中でもこのアルバムはどうやら重要なものになりそうだという実感が湧いてきました。
2月にはANGRAとの奇跡のようなカップリング・ツアーが実現する彼ら。ヨーロッパでの彼らの人気に比べると日本での彼らはもっと評価されていいような気がするので、ぜひこの来日公演を起爆剤にしてほしいものです。
posted by replicant at 00:32| Comment(2) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。