2006年09月28日

DREAM THEATER [Score]

B000GRTSFAスコア~フル・オーケストラ・ライヴ 2006
ドリーム・シアター
ワーナーミュージック・ジャパン 2006-09-06

by G-Tools

バンド結成20周年を記念して行われたツアーのファイナル、地元NYのラジオ・シティー・ミュージック・ホールでのオーケストラとの共演を収めたライヴDVDが発売されました。
他のどんなバンドも太刀打ち出来ないほどの圧倒的なライブでの演奏力、構成力、そして曲の良さを誇るDREAM THEATERなのでこの20周年を迎えるまでに数多くのライブ盤が存在しますが、この[Score]はただのライブの記録以上の意義がしっかり詰め込まれた内容になっています。
バンドが各時代に残した曲を次々にアルバムよりも素晴らしいバージョンで披露する前半は幻の曲[Raise The Knife](アルバム[Falling Into Infinity]から外された曲で当時のバンドの危機的状況をDisc 2でマイク・ポートノイが語っているのが興味深い)のサプライズまで飛び出し[The Spirit Carries on]でクライマックスを迎えます。この曲での会場の一体感と素晴らしいメロディーに思わず涙が出そうになります。この日の5人の演奏はとても素晴らしく、サウンドももしかしたらレコードより良いのではないかと思う程で、とくにジェイムス・ラブリエのパフォーマンスは技術的に高い歌唱力を要求される曲を楽々と歌いこなすのは当然といった感じで、各曲への感情移入度も大幅に増しており現在の彼の状態が最高を維持しているのが判ります。一糸(指?)乱れぬ演奏技術と歌唱力にこれまでなかった高い表現力を加えたDREAM THEATERのライブは以前の彼等すら霞んで見えてしまうほどの存在感を放つまでに変貌していました。
そしていよいよ第2部です。[Six Degrees Of Inner Turbulence]がオクタヴァリウム・オーケストラとともに演奏されます。アルバムではキーボードでオーケストラ風にアレンジされていたOvertureはやはりアルバムより格段によいバージョンに聴こえます。オケの編成や音のバランスは若干甘いですが、この40分を超える大作がオーケストラとともに淀みなく演奏されるのは本当に圧巻です。歌詞に出てくるキャラクターを演じるように歌うラブリエも活き活きとしていて、オーケストラとともにこの曲を新たな次元に運んだのは間違いなく彼の素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスだと言えます。
他に選ばれた曲もオーケストラと共演するに相応しいエピックな曲ばかり。とりわけアルバム[Octavarium]の名曲Octavariumはオーケストラ効果もあって、よりオーガニックな魅力に溢れ、曲の持つ隠れた(本来の)姿を見せつけくれる名演です。最後に相応しい、普段より煌びやかに演奏されたMetropolisが終わった時、その場にいたわけではないのに良い音楽に心が満たされてとても幸せな気分になれました。
DREAM THEATERは長いキャリアの中でもおそらく今がトップコンディションなんだろうと思います。20年間進化し続けたバンドだからこそ常に“いま”が最高のバンドなんて他に見当たりません。そんな彼らをこれからもずっと追い続けて行きたい、そう思わせるライブでした。このライブ最後のジェイムス・ラブリエの言葉を信じて。“これからも夢を持ち続けよう”

VIDEO TEASER
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2006年09月20日

Unearth [V:In The Eyes Of Fire]

B000GG4QXAスリー:イン・ジ・アイズ・オブ・ファイヤー
アンアース
3Dシステム 2006-08-08

by G-Tools

アメリカのメタルコア・シーンでKILLSWITCH ENGAGEやSHADOWS FALLに次いで重要な位置を占めつつあるUNEARTHの通算3枚目のアルバムが発売されました。上記2バンドもUNEARTHもそうですがハードコア・シーンに軸足を置いていた過去と、北欧デスメタルに影響されたメタル以外の何者でもないサウンドでメタルコアという言葉を生むきっかけを作ったバンドとして本国では十分な注目を浴びているアルバムです。
他の同系バンドがメロディーを増量している中で明らかに差別化を図っているようなブルータルな方向性を示しており、80年代後期のスラッシュメタルやTHE HAUNTEDのようなデスラッシュ・サウンドの色合いが強く、全くメロディー無視の吐き捨てヴォーカルとテリー・デイトのプロデュースによって壁のようにそびえる獰猛なギターリフが終始雪崩れのように聴いている者に迫って来るようで、そこにテクニカルでメロディーを多分に含んだギターソロがモノトーンの楽曲にカラフルな色合いを加えています。この暴力性に満ちた曲と艶やかなギターソロが絡むコントラストがアルバム全編を通して全く緊張感を失うことなく貫かれています。そのおかげか、これだけへヴィーな内容にもかかわらず45分足らずの本編はあっという間にラストの(11)Big Bear And The Hour Of Chaosへと行き着いてしまいます。

これから来年にかけてアメリカのメタルシーンはTRIVIUM、KILLSWITCH ENGAGE、SHADOWS FALL、MASTODON、MEGADETHの新譜などが控えており、すでに発表されたSLAYER、IRON MAIDEN、LAMB OF GOD、ATREYUなどの新作も含めて、80年代のメタルシーン以来最大級の大きな波が来ようとしています。
このUNEARTHも必ずシーンの一翼を担うバンドのひとつとなると確信できるアルバムと言えるでしょう。

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2006年09月13日

WIG WAM[Hard To Be A Rock'n Roller...In Tokyo]

wig-wam-in-tokyo.jpg
ハード・トゥ・ビー・ア・ロックンローラー

ウィグ・ワム
キングレコード 2006-08-23

by G-Tools


日本では順序が逆になって発売されたノルウェーのWIG WAMの1stアルバムです。時代錯誤でど派手なルックスとそこからは想像もつかないハイクオリティーな楽曲で輸入盤の時点からかなり話題になり、続く2ndアルバム[WIG WAMANIA]での日本デビューを経て今回晴れて1stアルバムの国内盤がリリースされました。
彼らの驚くべきクオリティーを誇る楽曲は一言で言うなら80's ポップメタル。しかもBON JOVI登場以降のキーボードを大幅に導入し洗練されたサウンドと一緒に歌える分厚いコーラスを満載したキャッチーなポップメタルで、私のように当時からロックを聴いている者には聴き終わるころには80年代に聴いた全てのポップメタルバンドを思い出したと言っても過言ではない位に当時のサウンドを踏襲しています。曲が進むたびにデスモンド・チャイルドやジム・バランスといった腕利きのコンポーザーやブルース・フェアバーン、マイケル・ワグナーなどの大物プロデューサーが浮かんくるということは、やはりそれだけ良い曲を書いているということの表れではあるが、この曲のこの部分はあのバンドのあの曲の一部分といった突っ込みは大いにされるでしょう。しかし現在のロックシーンに彼等のようなバンドが殆どいないこと、欧州の現在のロックシーンの活況ぶりなどから、“こんなの80年代バンドのパクリじゃないか”と冷ややかにあしらわれるのではなく、よりオープンに幅広いロックファンに受け入れられているように思います。
中でも際立つのはデスモンド・チャイルド節全開の(1)In My Dreamsで、冒頭に強烈なサビの“Come on Comen on Come on!”を配置し、Aメロ、Bメロ、サビと徐々に盛り上がっていくメロディーラインが素晴らしくあまりにいい曲なので聴きながら笑ってしまった程です。いわゆる“この1曲のためにこのアルバムを買う価値がある”曲です。(7)No More Living On Liesや(15)Hard To Be A Rock 'N' Rollerも同様に北欧のバンドらしく叙情味溢れるメロディーが素晴らしく最初から最後までテンションが下がらない各楽曲のクオリティーは見事です。
バンドイメージや過去の経歴と言った部分はあえて触れません。心を真っさらにしてまずはこの素晴らしいアルバムを体験して欲しいので。純粋にいい曲が聴きたい方はぜひ聴いて欲しいアルバムです。

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posted by replicant at 00:30| Comment(2) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月06日

AFI [Decemberunderground]

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AFI
Interscope 2006-06-06

by G-Tools

バンドにとって初めてのメジャー移籍後のアルバムとなった前作[Sing The Sorrow]は結果的に100万枚のセールスをあげ、バンドに過去最高の結果をもたらしました。バンドのコアなファンを満足させつつ一皮剥けた力強さやポップセンスを見せつけ、多くの新しいファンを獲得することに成功したアルバムでした。
約2年ぶりに発表になった本作ではその延長路線上にありながらも、楽曲に持ち込んだメロディーやアレンジはさらなる広がりを見せ、曲によってはAFIらしからぬ、と形容出来るほど多様な楽曲を提示してくれました。
パンク、ハードコア、ゴス、エモなどをAFIなりにごちゃ混ぜにしたスタイルは特徴的なDaveyのヴォーカルという1本の紐で結び付けられているものの、その枝葉はあらゆる方向に伸びそのクオリティーはポップシーンでも十分に通用するものだと感じました。
(6)Love Like Winterは特に印象的な曲で、3分弱の短い時間の中で今までのAFIには無かった清々しさのようなポジティブな雰囲気があり、曲を聴き終わる頃にはサビが頭から離れなくなります。もちろん(2)Kill Caustic(4)Summer Shudder(7)AfflictionなどAFIらしい曲もあり、アルバムを通しての印象はバラエティーに富んだ内容ながらそのどれもが高い水準を保っている、といったところでしょうか。
今回のDaveyのヴォーカルパフォーマンスですが、私個人の印象では前作までのDaveyは所々で若干力強さに欠けるというか、安定感に欠けると思えるものもありましたが、本作ではそうした部分はほぼ皆無で主に中低音域でのヴォーカルに安定感が増しました。演奏陣もとてもタイトで以前のやや軽い印象はまったくありません。

ダークな雰囲気、張り裂けそうになるメロディー、攻撃的なスクリーム等はMY CHEMICAL ROMANCEが好きな人やスクリーモ好きには強くアピールする作品ですし、本作はより幅広いロックファンにも訴える魅力も備えていると思います。

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posted by replicant at 23:21| Comment(4) | TrackBack(1) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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