2006年08月28日

STONE SOUR [Come What (ever) May]

B000G8NXBYCome What(ever) May
Stone Sour
Roadrunner 2006-08-01

by G-Tools

SLIPKNOTのヴォーカル、コリーとギターのジムによる2003年以来の2ndアルバムを発売したSTONE SOUR。前作はシングル[Bother]のヒットもあり、サイドプロジェクトにとどまらない成功を収め、ゴリ押し一辺倒に近かったSLIPKNOTと比べ、こちらでのコリーは水を得た魚のようにヴォーカリストとしての様々な潜在能力を発揮していたのが魅力でした。そうした前作の成功はSLIPKNOTの3rdアルバム[VOL,3 (THE SUBLIMINAL VERSES)]にも大いに反映され、一皮むけたSLIPKNOTへの変貌に大きく貢献したと思います。
本作は前作の成功をモチベーションとしながら全ての面でスケールアップが図られ、バンドとしての出音のまとまり感も格段に向上し、楽曲自体が放つ個性もSTONE SOURらしさを確立しつつあるように思います。前作にも共通することですが、SLIPKNOTのファン(コアなファンはともかく)が聴いても十分楽しめる攻撃性を残しながらもより多くのリスナーにアピールする楽曲の幅広さがあり、そのバランス感覚というかさじ加減が今回はさらに絶妙です。
(1)30 / 30-150(6)Rebornはへヴィーでありながらしっかりとメロディーが強調された曲で“SLIPKNOTのメンバーのアルバム”である事を目当てに聴くファンにアピールし、(4)Sillyworld(8)Through Glass(12)Zzyzx Rd等のメロウな曲はノーマルな歌唱でこそ存在感が際立つコリーの変幻自在のヴォーカルが楽曲をさらに立体的に引き立ています。
この(4)(8)等のスロウな曲での丁寧に切々と歌い上げるパフォーマンスは何となく元LILLIAN AXEのロン・テイラーを思い出させるのですが、SLIPKNOTの持つメタル的、へヴィロック的アプローチよりもハードロックという言葉が似合うサウンドと哀愁すら感じるメロディ、そしてコリーの声質がそう思わせるのかもしれません。いずれにしろ、このアルバムを聴いて私はコリー・テイラーというヴォーカリストが一層好きになりました。

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2006年08月22日

Bullets And Octane [In The Mouth Of The Young]

B000FI8TEGイン・ザ・マウス・オブ・ザ・ヤング(2ヶ月限定スペシャル・プライス)
ブレッツ・アンド・オクタン
BMG JAPAN 2006-06-21

by G-Tools

爆走ロックを信条とするBullets And Octaneの待望のメジャー移籍第1弾アルバムが届きました。前作もとても良かったので期待していましたが本作も非常に素晴らしい出来になっています。
MOTORHEADやALMIGHTY等を彷彿させる、走りだしたら止まらない爆走ロックは本作でも健在、さらにメリハリの効いた曲作りと一層タフになった演奏で大きな成長を感じます。メタルだろうがパンクだろうがロックンロールだろうが疾走するスピードチューンはいいものですね。今回もドライブ感と骨太なメロディーでライヴの熱さを感じさせてくれます。
特に(1)Going Blind(2)My Disease(3)Save Me Sorrow(4)I Aint Your Saviorの畳み掛ける流れはアルバムの印象を決定付ける強力な曲の連続で特に(4)I Aint Your Saviorの出来は出色です。他にも(5)Cancer Californiaや(10)Bathroom Floorのようなメロウな曲も完成度、より幅広い層へのアピール度など申し分なく、アルバム内で効果的な役割を果たしています。

理屈抜きでカッコいいロック・アルバムです。ロック好きな全ての世代に受け入れられるキャッチーさと後続が出現するであろう牽引力を持ち合わせた非常に有望な若手バンドBullets And Octane。まずはこのアルバムで来日公演を実現させてほしいものです。

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2006年08月16日

FAIR WARNING [Brother's Keeper]

B000FZDMVOブラザーズ・キーパー(初回限定盤)(DVD付)
フェア・ウォーニング
マーキー・インコーポレイティドビクター 2006-07-26

by G-Tools

一時期の休止期間を経て再び我々の前に姿を現わしたFAIR WARNINGの5thアルバムが発売されました。
ドイツ産のメロディアスなハードロックバンドで、デビューアルバムから桁外れの楽曲のクオリティーで日本でもすぐにトップクラスの人気を獲得、アルバムを重ねる度に数々の名曲を生みだし、その地位は確固たるものとなっていました。しかしヴォーカルのトミー・ハートがFAIR WARNINGのライヴ活動の少なさや自らのクリエイティビティーの追及のため脱退したことを受けて解散。6年のブランクを経ての5作目となりました。
まず何よりあのFAIR WARNINGの音であることに安心感を覚え、オープニングの(1)Don't Keep Me WaitingはFAIR WARNINGのアルバムには必ずある必殺チューンで、伸びやかなトミーのヴォーカルとヘルゲ・エンゲルゲの飛翔するギターソロに以前からのファンは「これこれ!」と頷ける出来で混じりっ気無しのFAIR WARNINGサウンドであることを主張しています。
他にも(6)Generation Jedi〜(7)The Wayの流れが素晴らしく、ミドルテンポで重厚に始まりどこまでも駆け上がるようなトミーのヴォーカルメロディーとそれに呼応するようなヘルゲのソロ(アルバム中一番の出来!)が高揚感を煽る(6)Generation Jediから、(1)Don't Keep〜にも通ずる丁寧なアレンジ(特にウレ・リトゲンのベースが素晴らしい)と覚えやすいサビが耳に残る(7)The Wayそして(8)All Of My Loveの流れは本作中最も聴きごたえのある展開と言えるでしょう。他にも、これが1曲目の候補だったというC.C.ベーレンスの雷鳴のようなドラムで幕を開ける(13)Push Me Onは2ndアルバム[Rainmaker]の超名曲Burning Heartの流れを汲むこれまた素晴らしい曲で、この曲をラストに持ってこれるくらい本作の楽曲群が充実していたと言う事でしょう。
インタビューでは今後のライブ活動にポジティブなコメントをしており、これを期に本格的なライブバンドとしても活動を期待したいところですが、なにはともあれ、こうしてまたFAIR WARNINGが活動を再開し素晴らしい作品を提供してくれる事に素直に感謝したいと思います。
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2006年08月08日

Wolfmother [Wolfmother]

B000EJ9MTWWolfmother
Wolfmother
Interscope/Modular 2006-05-02

by G-Tools

本作が早くも全米チャートで健闘しているWOLFMOTHERはオーストラリア出身の3人組です。
シングル曲[Woman]を聴けばわかる通り、曲の構成から音作りまで70年代のロックをそのまま現代に再現したかのようなサウンドで同郷のJETやTHE DATSUNSを思い浮かべたりしますが、WOLFMOTHERはより広範囲に70年代のロックバンドのエッセンスを取り入れているようで、曲によってLED ZEPPELINだったりBLACK SABBATHなどの偉大なバンド達の面影をちらつかせながらヴォーカルのアンドリュー・ストックデイルのポップでサイケデリックなメロディーが心地よく響き、リズム隊の強烈なグルーヴに強制的に体が動いてしまう・・・そんなサウンドです。
(1)Dimension(3)Woman(9)Pyramidのように圧倒的なパワーグルーヴ系の曲は彼らの代名詞となるでしょうが、(8)Mind's Eye(11)Talesに代表される静寂に優しいメロディーが溶け込んで来てダイナミックに展開する曲の持つ魅力は格別です。特に(8)Mind's Eyeは美しいメロディーから70'sプログレの影響を感じさせるアレンジが素晴らしいこのアルバムのハイライトとなる名曲です。
おそらく古新しいWOLFMOTHERサウンドやイメージ等に注目が集まるのでしょうが、私自身はこういうサウンドを懐かしいとも新鮮とも感じない中途半端な世代のため、曲の良さやクールな演奏そのものにフォーカスすることが出来ましたが、意外なほど凝ったアレンジや硬軟使い分ける幅広い楽曲は将来の伸びしろを十分感じながら楽しむことが出来ました。彼等のライブは観たことがありませんが、こうした楽曲を聴く限りライヴならではのインプロヴァイズが展開される事は容易に想像できます。アルバムでももっと楽器陣のインプロヴァイズがあればより音楽に熱気が加わりライブ直結の魅力が増して行くのではないかと思います。

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2006年08月02日

Amorphis [Eclipse]

B000FIHCQWエクリプス
アモルフィス
ビクターエンタテインメント 2006-06-28

by G-Tools

AMORPHISの通算7枚目のアルバムが発売され各方面で高い評価を得ています。フィンランド出身のデスメタル・バンドとしてスタートし、そこに北欧のバンドならではの郷愁感漂うメロディを導入し、現在世界中のメタルファンに認知されるまでになった北欧メロディック・デスメタルの礎を築いたバンドのひとつとして評価され、前作までの数作ではデスメタルからは距離を置いたゴシックメタル・バンドとしてキャリアを積み本作をリリースするに至りました。
一聴すると際立っているのはここ数作なりを潜めていたヘヴィさと悲哀に満ちたメロディーの中に沸き上がる力強さがアルバム全編に確認でき、個人的には彼等の最高傑作と言われる3rdアルバム[ELEGY]すら凌ぐ曲のクオリティーを誇っていると感じます。本作から加入した新ヴォーカルのトミ・ヨーツセンはAMORPHISが好きだったと言うだけあって前任者の声質を彷彿させ、負けず劣らず存在感を主張する逸材でデス・ヴォーカルではこのアルバムでのメタル度増幅に大きく貢献し、ノーマルヴォイスでは強弱を巧みに操りながらも芯の太い堂々たるパフォーマンスを披露しています。
本作の復活作的な色合いは我々聴き手側が感じる事であって本人たちがどう感じているのかは非常に興味深いところではありますが、ただ単に原点回帰したのではなくバンドのこれまでの変遷を咀嚼した上での飛躍的な成果である点は重層的なアレンジの巧妙さの中に見ることができ、もはやゴシック・メタルとかデスメタルといった言葉では表せない完全なるAMORPHISサウンドに成長したのだと実感しました。
どの曲も本当に素晴らしいのですが、北欧由来のフォーク・ミュージックの影響とトミの咆哮、そして冒頭に書いたような湧き上がる力強さを感じさせるメロディーが展開される(3)Leaves Scarと、歌詞と一体となったようなスローで悲哀を感じさせる前半から一転、攻撃的にその激情を吐き出しながら完璧な構築美とあまりにも素晴らしいメロディーを伴って壮大な叙事詩となって聴き手の心に焼きつく(5)Under A Soil And Black Stoneは聴き込むほどに言葉を失う名曲です。中堅からベテランの域に達しながらもそこで単調なメタルの様式美を繰り返すだけには留まらない音楽に対する熱意や愛情、探究心に溢れる彼らの姿勢はもっともっと評価されていいと思います。ゴシック化以降急速に失速したここ日本での評価も本作の改心の一撃で前以上の盛り上がりを願わずにはいられません。

私見ですが、AMORPHISと同郷のSENTENCEDの早すぎる解散に涙した方はこのAMORPHISの新作に、亡きSENTENCEDの姿を重ね合わせるとともに同じような愛情で接する事が出来るのではないでしょうか。私もその一人ですが、少し感傷的になると同時に心にポッカリ空いた喪失感が何だか温かく満たされたようで繰り返し、繰り返し聴き入ってしまいます。

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posted by replicant at 22:34| Comment(2) | TrackBack(0) | music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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